komonjo-blog

2011/1/12 水曜日

近世畸人伝、小西来山。楽しめます

Filed under: general — admin @ 22:22:28

近世畸人伝は、伴蒿蹊(ばん・こうけい)が書いた江戸時代の初期からこの本が刊行された時期までの、武士・儒学者・文学者から遊女・乞食にいたる、実に様々な階層や職業の奇人の伝記。毎回、二人の先生が1つづつ取り上げて解説するので、知らず知らず、江戸の勉強をしている。

本日は、冬の講座の始まり。
「小西来山」 来山は小西氏、十萬堂といふ。俳諧師にて、浪華の南、今宮村に幽栖す。人ト為リ曠達不拘(こうたつふこう)、ひとへに酒を好む。

この人はお酒を好み、ある年の大晦日、門人があすの雑煮の具を調えて贈ったところ、すぐに食べてしまって、「我春は宵にしまふてのけにけり」 と口ずさんだという。妻帯せず、食も乏しく、まるで老荘者だったようだ。その辞世の句がすてきだ。

「来山はうまれた咎で死ぬる也それでうらみも何もかもなし。」といへりとなん。

生まれてきた咎で死ぬことになったのだから、恨みも何もなし。江戸の人はカッコいい生き方、死に方を心得ている。

2009/6/25 木曜日

怪物(ばけもの)つれづれ雑談

Filed under: general — admin @ 22:52:19

この怪物(ばけもの)つれづれ雑談。見開き一ページに挿絵が描かれ、その合間に文字が散りばめられている。黄表紙とは、当時の大人向けの絵物語。

一話づつ、ばけものが出てくるのだが、今回の化け物も怖い。宿直していると、一羽の胡蝶(こてふ)が飛んできて、行灯の中に飛び込む。ああ可哀想と見ていると、その蝶が何度か羽ばたきすると、小鳥くらいの大きさになり、また、何度か羽ばたきすると、今度は四五尺くらいのムササビに変じて飛んでいったという。たまたま居合わせた茶坊主は、驚きのあまり、気を失ってしまった。年経るものには、こういう不思議なことが起きるというお話である。

[阿曽田何某鼯の怪を見る話]
それ六ちくのものおよひ
亀蛇魚鼈草木
といへとも久しき
ものは神ミな依
憑てよくよう
くわいをなすと
かや
江戸時代には、怪奇なこともたくさんあったのかもしれない。電気もない夜には、とりわけ怖いものが多かったのではないか。

2009/6/10 水曜日

近世畸人伝の面白さ

Filed under: general — admin @ 23:45:10

昨年から始めた社会人のための夜の講座だが、熱心な方が多い。

「これまで博物館や展覧会は大好きでしたが、巻物や版本はどうせわからないからと、飛ばしていました。これが読めないのはもったいないと気づいて、習いはじめました 」とか、「簿記や英語や視覚を取ることではなく、自分のために古文書が読めたらいいと思って始めました」といわれる。

近世畸人伝のような江戸時代に実在したユニークな人物伝を読んでいると、これを学校で紹介してほしいなあと思う。いまやっているのは、「遊女大橋」だが、京、島原の遊郭で歌を詠むことが上手といわれた芸技が、年季明けに尼になるには年老いた母がいるのでと、躊躇していたら、人の世話で変わり者という栗原一義に嫁ぐことになる。しかし、この家は貧なれば、ご飯炊きのような雑事も大橋がこなしていかなければならない。

わするなと 契りし春は 夢なれや 寝覚めとひくる 初雁の声

(忘れるなと誓って契ったのは春の夢だったのでしょうか。あれから夏も過ぎて、秋・飽きになってしまって、雁の声に起こされました)

歌の世界では、秋は飽きに通ずるといい、恋愛は飽きてしまう。雁は秋の季語なので、それだけで 恋が終ってしまったことを暗示している。

この講座は、音読することを繰り返し行なうが、声に出して美しいのが、畸人伝の特長である。登場人物に合わせて、文体も描き分けており、それを鑑賞するのも楽しい。

2009/6/1 月曜日

あたら雫あたら芒をこぼるゝよ

Filed under: general — admin @ 20:02:37

あたら雫(しずく)あたら芒(すすき)をこぼるゝよ       蟹守

文政四年の旅も、後半は越後から上州に向かう。

十三日、浅貝早旦出立。三国峠へかゝる。
永井まで三里半の大峠なり。是より上州。
人も問え三国峠を越す日也 蟹守
三国峠を越えて、上州入りした蟹守たちは、旅で知り合った士峰といふ薬商人と同行して、前橋に着く。

この句は、文月十五日上毛於前橋旅亭即興(ふみつき じゅうごにち じょうもうまえばし りょていにおけるそっきょう)で読まれた発句だ。文月十五日は、今でいう旧暦の七月十五日。お盆の日である。

蟹守は京都でも、先祖の霊を送るお盆を体験している。こうやって旅先で、賑わうお盆に、かえって故郷を思い出しているのではないか。

2009/5/26 火曜日

江戸の季節は1月から春

Filed under: general — admin @ 2:17:08

江戸の旅日記を読んでいて、俳句の会の季語が気になる。
江戸時代の季節は、旧暦なのだが、一月、二月、三月が春。 四月、五月、六月が夏。七月からは秋が始まる。七月、八月、九月、ここはもう秋。そして冬は十月、十一月、十二月となる。

和菓子の季節は先取りこそ命。早すぎて文句をいう人はいない。かわりに季節が変わっているのに、遅れているのは見苦しい。桜餅は、ちょうど、この江戸時代の春にでる。四月からは草餅に変わる。

着物の世界も先取りが大切。六月になって、袷は、衣替えもしていないだらしない人という扱いをされる。季節に敏感に暮らしていた江戸の人々の皮膚感覚を現代にどう伝えることができるのだろうか。

2009/5/17 日曜日

第71回「子どもとお菓子」展 開催中

Filed under: general — admin @ 23:53:22

赤坂見附の虎屋本店の二階に虎屋文庫があって、年に一二回、企画展が開かれる。ことしは、2009年5月17日〜6月16日まで、「子どもとお菓子」展を開催している。

会場には江戸の駄菓子屋を再現した番小屋があって、並んでいるお菓子をみるのも楽しい。江戸時代に書かれた文書もいくつか展示されていて、釈文も付いているから、わかりやすい。京都にした虎屋が、天皇家との結びつきを示す資料もある。

入場無料、小冊子も配布してくれる。

2009/5/8 金曜日

怪物(ばけもの)つれづれ雑談、始まりました

Filed under: general — admin @ 23:29:57

1770年頃、江戸の中期、50年間くらい爆発的に流行った黄表紙というジャンルがあります。これは江戸の本屋がお正月のみの限定で発売したもので、参勤交代の武士や町人たちが競って買ったそうです。上方にはこのジャンルの本はなく、江戸だけで生まれています。

その中から、 怪物(ばけもの)つれづれ雑談という大人のための絵双紙を学習します。文字が小さくて、読めるのかしらと心配もありますが、加藤先生が丁寧に一字づつ解説してくださるので、楽しく勉強しましょう。
■木曜日 14時から16時  (全5回)
2009年 5月 21日(木)
2009年 6月 4日(木)、 18日(木)
2009年 7月 2日(木)、 23日(木)
入会金:      10,000円
受講料(8回分):  22,500円

2008/4/3 木曜日

五代目團十郎について学ぶ

Filed under: 團十郎 — admin @ 23:19:15

当代は12代目、そして、五代目は寛保元年(1741)の生まれだ。いまから250年以上も前に生まれた役者の書いた作品を習うのというのもうれしいこと。この頃は江戸の文化の中心が上方から江戸に移りつつある、そういう意味でも充実したいた時代だ。 講師の加藤先生の専門は演劇、浄瑠璃なので、くずし字の解読に入る前に、團十郎の生まれた時代背景などをたっぷりに学んでいく。 この小倉百句は小倉百人一首のパロディ版だが、なんと挿絵はあの葛飾北斎が書いているのだ。

五代目團十郎は、狂歌や俳諧を好んだが、この時代、教養を身に付けるために俳諧の師匠に入門するというのが流行だった。独学で学ぶのではなく、師匠につくのだ。江戸の旅日記でも、蟹守が手紙のやりとりをしていた文人たちを訪ね、連句の会を開いているが、その熱狂ぶりは時代のせいだったのだろう。

2008/3/31 月曜日

4月より新講座始まる 

Filed under: 講座案内 — admin @ 18:28:51

團十郎の小倉百句を読む】と【近世畸人伝(きじんでん)を読む】。

團十郎の小倉百句は、成田屋さんにちなんで、成田屋後援会のみなさまには特典があります。この機会にぜひ、お申し込みください。見学コース(無料、一回限り) もご用意しております。

2008/3/3 月曜日

大井川では蓮台に乗る

Filed under: 旅日記 — admin @ 20:32:10

蟹守は甲府の豪農なので、大井川を渡るときは蓮台でらくらくと進む。金谷から、菊川をとおり、久遠寺を見る。この辺りに歌の名所の、小夜の中山がある。あめの餅が名物だということで、これを食べて句を読んだ。

かの西上人(西行) の古言おもひだされて、

『餅くうも小夜の中山命なり』

本歌 年たけてまた越ゆべしと思いきや 命なりけり小夜の中山  (西行69歳の歌)
こういう滑稽が俳諧の面白さである。

仮名文字がだいぶ読めるようになったので、芭蕉の真筆といわれる奥の細道を少し読んでみる。馴染みのある仮名が多くて、結構読めるので嬉しくなった。学習の成果が出ているのだろうか。

次のページ »

Powered by WordPress ME