あなたがもし、近い将来、あるいは今年中に起業しようと考えているなら、「メインバンク」との付き合い方はとても大切だ。個人の場合、自分の身分証明書と、住民票があれば、とりあえずどこの銀行でも口座が作れる。
メインバンクサービスは、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの中では、三菱東京UFJが一歩先んじているようだ。
だが、法人の場合、少し違ってくる。たとえばいくらお金があっても実績がないとメインバンクにはなってくれない。
では、起業したばかりの会社は、どのようにしてメインバンクを見つけたらいいのだろうか。たぶん答えは何通りかあると思うが、ここでは弊社の場合を紹介する。株式会社マディオのメインバンクは、三井住友銀行麻布支店である。場所は霞町交差点の手前にある、最寄り駅は東京メトロ広尾になる。
千葉市に本社がある会社のメインバンクがなぜ、麻布支店なのか、と疑問に思われる方もいるだろうが、そこしかなかったのである。法人口座を開くために、千葉駅にある三井住友銀行に出向いたところ、実績のまったくない方とはお取引しておりませんと、丁寧に断られてしまった。
株式会社にするには、最低1000万円の預かり金を銀行に入れて保証してもらう必要がある。実績がないといわれて、今度は麻布支店に出向いた。ここは、23年勤めた外資系の給与振込口座があって、毎月の給与、年に二度のボーナス、またVISAやJCBカードの引き落とし口座でもあった。退職金もここに振り込まれたので、担当の方は、用意した書類をみて、口座開設の手続きをとってくださった。
弊社はセミナをなりわいとする会社である。セミナというのは、主催者によりいかがわしいものもある。だから、有限ではなく、株式会社にしたいと思った。企業責任がしっかりと見える。また、本社は千葉市だが、セミナ会場は中央区日本橋なので、受講料の振り込み口座も都内にしたかった。向こうの思惑とこちらの希望が叶った幸せなケースだが、ここでいくつかの要点をまとめてみる。
メインバンクの扱い方
- 起業しようと思ったら、まずメインバンクをチェックする
- 今使っている銀行と、これからビジネスを始める場所が離れているときは、給与振込、各種支払いなども移しておく
- 新しいところとは最低3年は付き合う。退職金もそこに入れてもらう
弊社の場合、社名変更などの手続きで、なんどか麻布支店に足を運んだが、つくづくここにしていてよかったと思った。二年前には男性が窓口にいたのに、いまは、すべて女性に変わっている。