仕事も人生も楽しむ、イタリア的生活

2013/7/19 Friday

奈良大学で版木展をみた

Filed under: - site admin @ 23:19

毎年、京都の祇園祭に出かけている。五泊するので、鉾建てをみて、お囃子の練習風景を見学する。昼間は暑いので、大原に出かけたり、大阪松竹座にも行く。

今年は、奈良大学で、「板木 (はんぎ) さまざま〜芭蕉・蕪村・秋成・一茶も勢ぞろい〜」展を開催しているということで、四条烏丸から、近鉄に乗って、高の原まで出かけた。
新たに見つかった上田秋成著『冠辞続貂(かんじぞくちょう)』の板木も展示。
これらの版木を使って、多色刷りを作る日本人の精密な技に驚かされる。江戸の職人たちの意地をみたような気がした。

開催期間:2013年6月24日(月)〜9月7日(土)

奈良大学 〒631-8502 奈良市山陵町1500  TEL 0742-44-1251
京都から近鉄京都線で高の原下車、奈良大学行きのバスで5分。

2013/1/22 Tuesday

図書館は知の集積所、と気づく

Filed under: - site admin @ 23:00

家の近くに県立中央図書館があって、かつて毎週のように通っていた。やがて、六本木ライブラリーの会員になり、手軽に新刊、話題の本が読めるので、忘れていた。あの震災の後は、ガラスや棚の補修で半年くらい、閉館していた。

そして、スゴ本オフで本を読むこと、本を所有すること(積読)の快楽を思い出した。その後は、密林や○○○オフのお世話になって、一年あまりで大量の本に囲まれることになってしまった。幸い、大きな本棚を譲ってくださる方がいて、今は,なんとか収納している。しかし、本を見ると、買いたくなる。

昔は、本が増えると本棚を設置していて、どうもまずいなと、思い、図書館通いをすることにしたのだった。図書館でまず読んで、どうしても欲しい本だけ、注文する。すると、年に十冊程度ですむ。最初から買ってはいけない。これが基本なのに、忘れていた。

というわけで、昨年の暮れから、真面目に通い出した。一回にひとり五冊。夫婦でいくと、十冊借りられる。期間は二週間、他に予約がなければ、その後、二週間の延長ができる。借りた本は積極的に読まないとすぐに期日が経ってしまうので、外出のお供に持参する。

本が読みたいから、SNSを少し控えようと思っている。時間のかける比重を本を読むことに戻したい。
今回のリストを備忘のため載せておく。

1. 時間と空間をめぐる12の謎
2. 青砥稿花紅彩画 正本写合巻集 国立劇場調査養成部
3. 小枝繁集 (叢書江戸文庫)
4. イタリア・ルネサンス絵画 (文庫クセジュ)
5. サブカルチャー戦争 「セカイ系」から「世界内戦」へ
6. 脇阪克二のデザイン ―マリメッコ、SOU・SOU、妻へ宛てた一万枚のアイデア
7. コンタクト・ゾーンの人文学〈3〉Religious Practices/宗教実践
8. 渓斎英泉 千葉市美術館 図録
9. 井原西鶴集〈4〉 (新編日本古典文学全集)
10. 新編日本古典文学全集 (68) 井原西鶴集 (3)

2012/4/26 Thursday

西鶴について学ぶ前に出版を習う

Filed under: - site admin @ 23:23

4月の新講座の最後は、4/23 月曜日の「江戸の浮世草子を読む」だった。江戸のくずし字の講座はどれも同じように見えて違う。講師の先生の個性により、解釈や準備が違う。

佐伯先生は雨の中、貴重な版木や和本、奈良時代のお経の複製など持参して、それを手に取って眺めながらの講義である。実物に触れ、そして、声を出して本を読む。当初考えていた以上に贅沢な講座だ。

初回は、江戸の出版にいたるまでのお話を聞く。なぜ、活字本のかわりに、版本が流行ったのか。それは、板にする方が、増刷するときに簡単だからなのだ。活字を組んでも、活字の数にかぎりがあるから、それを増刷するまで保存しておくことはできない。一度すると、また、崩してしまう。その点、版本は、板さえあればすぐに刷ることができる。

2012/4/15 Sunday

4/17から、黄表紙が戻ってくる

Filed under: - site admin @ 23:16

昨年一年、お休みしていた黄表紙の講座、今週の4/17から再開することになった。ただし、夜間で一月に一度の開催。これなら、いままで遠慮していた社会人も参加できるはず。

一月に一度といっても、継続の力は大きい。もともと日本人なのだから、文字は誰でも読めるようになる。

山東京伝の『新板替道中助六(しんぱんかわりましたどうちゅうすけろく)』という作品を、皆さんと一緒に読んでみたいと思います。歌舞伎の『助六』の登場人物達が、様々な騒動を巻き起こしながら、東海道を江戸から京都へと旅していく物語です。

主宰者側としても、愉しみな内容。気になる人は、見学にいらしてください。受講の手引き

2012/3/13 Tuesday

4月17日から、黄表紙の講座が始まります

Filed under: - site admin @ 23:26

江戸の古文書講座を始めて8年になります。他では扱わないようなユニークな題材を取り上げてきました。

4月からは、いよいよ黄表紙の講座が始まります。題して、山東京伝の『新板替道中助六(しんぱんかわりましたどうちゅうすけろく)』という作品。歌舞伎の『助六』の登場人物達が、様々な騒動を巻き起こしながら、東海道を江戸から京都へと旅していく物語です。

黄表紙は江戸時代の中期に生まれた、滑稽や諷刺を主眼とする文学ジャンルです。全頁に渡って絵が掲げられ、その絵の余白に文章が配されるという体裁は、今日の漫画の原点とも言えるでしょう。そんな黄表紙の中から、夜の講座にふさわしく、大人が楽しんでもらえる内容になってます。

一月に一回の開催ですので、ご興味のある方は、お問い合わせください。お待ちしております。

2012/2/13 Monday

ブックオフで、大人買い

Filed under: - site admin @ 23:02

最寄り駅の駅前にブックオフがある。一度中をのぞいたが、思ったよりも高額で、すぐに帰ってきた。それから何年も、のぞいていない。ところが、すご本オフで、105円の本があると聞き、さっそく出かけてきた。本当に棚5本くらいに105円の文芸書、歴史本などが並んでいた。

気になる本を何冊か買い求め、以後、駅を使うときは、必ず立ち寄ることにした。少し前の本だと、価格が二回くらい下がって105円になっている。

そして、2/10は、105円のものをのぞく、ほとんどの本が半額ということで、10時開店の少し前に出かけた。2か所の入口の前で5、6人が並んでいる。昨日から目星をつけていた、銀河英雄伝説の棚に走る。こちらもスゴ本オフで絶賛されていたもの。愛蔵版しかないが、半額ならうれしい。

bookoff

19冊買って、一万円でおつりがきた。VISAカードも使える。江戸の古文書講座を主宰しているので、江戸ものは必需品。こちらの全集はカラーのグラビアが多く、使えそう。置く場所が必要だから手放すのだろう。昭和文学全集も、レアもの作家まで収録されていて、昭和生まれにはありがたい。時代を知る手がかりになるだろう。歌舞伎の本、趣味の本まで手に入れた。

驚くことに店内は非常に混雑していて、本を持って歩くのが大変だった。幸い、わたしと趣味の合致する人もなく、こちらは淡々選んでいた。争奪戦が起きなくてよかった。次回も機会があれば参戦したいと思う。スゴ本オフのみなさま、ありがとうございます。

2011/6/16 Thursday

芭蕉の旅は、歌枕の名所を訪ねていた

Filed under: - site admin @ 21:17

おくのほそ道、あまりにも有名だが、芭蕉の自筆本をテキストに読み解く会を行なっている。今年で二年目、金沢に着いた。学生の頃、活字で読んだときには、気が付かなかった箇所が、一字一字を声を出して読んでいると見えてくるから不思議だ。

紀行文という形式を採った創作というほうが正しいのかもしれない。旅日記のように見えるが、記述されたことは必ずしも記録ではない。比較的真面目に書き留めていた曾良日記では、描かれていないこともある。芭蕉が旅立つのは、一つには松島の月を見ることだが、訪れた先々で、奈良、平安時代の歌枕に記された場所を訪ねようとしている。

越中の国、一ふり(市振り)の関に着いたとき、同じ宿に遊女が二人いて、これからお伊勢参りにでかける相談をしていた。そのとき詠んだ「一家に 遊女も寝たり 萩と月」という名句がある。曾良にかたれは書とどめ侍ると、あるが、実際の曾良日記には、この句は収録されていない。芭蕉の作り上げた芸術世界である。

また、くろへ四十八ヶ瀬(黒部四十八ヶ瀬)に出て、担籠(たこ)の藤波を見ようとするのだが、近くに民家は少なく、泊まる宿もないから、およしなさいといわれて、諦めると書かれている。能登半島の中程の場所でなる。

芭蕉の旅では、歌枕に関わる場所ではたくさんの記述があるが、何もないところはわずか数行で完結している。

2011/6/14 Tuesday

江戸の文書を読み解く

Filed under: - site admin @ 22:25

毎週、お城で実施している古文書整理と研究会。今週から初級講座が始まって、午後だけの開催となる。市内の旧家に伝わる文書をみんなで手分けして読んでいるのだが、楽しみも多い。

安政二年頃の諸物価は、出納帳に書き留められている。村ではなにかがあると、土地持ちの比率で負担し合う。固定資産税って、この頃からの流れなのだろうか。村役人たちは、こまごまとした支出を書きとめて置き、それを土地の割合で分ける。読み書きそろばんができないと、農村でも暮らせないのだ。この頃の、日本人の識字率はかなり高かったのがうかがえる。

取り決めの文書の最後には署名捺印している。不思議なのは、当村ではなく、隣村の某氏がいちばんの土地持ちだということ。なぜ、この人が別の村に土地を所有しているのか、もっと文書を調べてみたい気がする。200年近く前のことだが、子孫の方がいることも配慮して、名前は伏せる。

人形町でやっているのが、江戸の文学なら、こちらは農村の暮らしである。どちらも発見があるのが面白い。

2011/5/31 Tuesday

安政二年の江戸の文書

Filed under: - site admin @ 22:59

毎週、一回、お城に江戸の古文書整理に出かけている。ボランティア活動だ。本物の文書を好きなだけみることもできるし、江戸の人びとが何を感じていたのか、それを知る楽しみがある。

今日は、二ヶ月ぶりに途中まで解読してある資料をひもとく。安政二年といえば、幕末。この村で起きた用水の一件は、残された全部の資料を読んでみないと、すっきりはわからない。

今日は午後、みんなでこちらの文書の一部を読み合わせした。予め作ってある解読文をみながら、本文を読んでいく。ひとりでは判読できない文字もみんなで判断すると、不思議と読み解くことができる。こういう資料を大切に保管してくれた方がいるから、江戸のことがわかるのだ。

出てくる地名は、今のバス路線と似ている。村々への伝達は、決まりがあって回る順序もいつも同じだ。隣村との協調も大切なこと。出てくる地名を地図でなぞって、昔に思いを馳せる。

2011/3/30 Wednesday

黄表紙を読むの最終回だった

Filed under: - site admin @ 23:31

江戸のくずし字講座を主宰しているが、この一年余り、黄表紙を読んで来た。今日が、その最終回である。担当される先生の日程が取れず、なんとか三月中に完了させようと、受講生たちも必死で付いてきた。

筆物語、主人公は、硯箱、巻紙、お鹿、硯の介、文鎮、朱墨、玄墨と、文房用具が勢揃いする。歌舞伎仕立ての一幕があったりと、戯作者が楽しみながら、書いているのがわかる。

楽しい時間は、あっという間に過ぎて、今は今しかないということに気づくのだ。4月からの古文書講座は、初心に帰り、近世畸人伝も巻二、巻四からスタートする。勉強することは楽しい。特に大人になってからはそう思う。お客様と充実した時間が過ごせるよう、心配りしたい。

2011/1/22 Saturday

千葉市美術館で江戸と出会う

Filed under: - site admin @ 21:11

金曜日に思い立って、家族で千葉市美術館に出かけた。歩いて15分ほどの距離。途中、ローソンに寄って、チケットを発行する。こちらは前売りの価格で、当日手に入るという優れもの。

8階、7階と2フロアに分かれていて、見応えがある作品が多かった。ニューオーリンズに住まいするギッターさんのコレクションは、あのハリケーンで奇跡的に無事だったそうだ。彼の家の様子も映されていたが、あんな家に住みたいね、というのが家族の感想だった。
chiba museo

江戸のくずし字を習っているので、読める字があるとうれしくなる。画集もあって、こちらも充実していた。
chiba museo
口演 先達て襖二枚..
chiba museo

このギッター・コレクション、このあと、静岡、福島、京都と巡回する。

2010/11/15 Monday

特別展 江戸図の世界 

Filed under: - site admin @ 22:53

知合いのブログから発見した特別展。江戸図だけの展示というのも珍しいのではないか。11/23祝日には、ギャラリートークもある。入場無料で、前回も空いていた。

行き方は、JR田町、あるいは都営三田線三田で降りて7分くらい。三田図書館の4階が、港区立港郷土資料館になっている。

港区の会社に勤めていたときは、ぜんぜん知らなかったのに、今、江戸繋がりでお邪魔させていただいている。図録もリーズナブルで楽しい。

■特別展 江戸図の世界 (入場無料)

 港郷土資料館の所蔵する、港区内をはじめとした江戸・
東京に関する絵画・版本・江戸図・地図などは、総計2500点
を超える質・量ともに充実したコレクションです。
 そのうち、近世の江戸図はおよそ 120点あり、現在
でも人気の高い『近吾堂板切絵図』、『尾張屋板切絵図』
をはじめ、最初の刊行江戸図と推定されている
『武州豊嶋郡江戸庄図(寛永江戸図)』、17世紀後期に
遠近道印によって作成された正確な江戸実測図『分間江戸大絵図』
、浮世絵師石川流宣による絵画的な描写の『江戸図鑑綱目』、
もっとも普及した大絵図である須原屋板『分間江戸大絵図』
などの代表的な江戸図のほか、現存最大級の手書き図
『安永手書江戸大絵図』など、貴重な資料が多く含まれています。
 今年度の特別展「江戸図の世界」では、館蔵資料を中心として
テーマごとに代表的な江戸図を取り上げ、それぞれの江戸図の
種類や特徴、様式の変遷、歴史的な流れ等について紹介いたします。
 また、展示解説を、11月3日(水曜・祝日)、23日
(火曜・祝日)の午後2時から1 時間程度の予定で行います。

■開催場所 港区立港郷土資料館(三田図書館4階)
■開催期間 10月23日(土曜)‐11月28日(日曜)
■開館時間 午前9時‐午後5時
        (ただし期間中の毎週金曜は午後7時45分まで延長開館)
■ 休館日  毎週月曜、第3木曜日(11月18日)

2010/11/11 Thursday

文展(ふみひろげ)の狂女

Filed under: - site admin @ 23:02

江戸後期、1790年に出版された『近世畸人伝』(きんせいきじんでん)。その中にはさまざなま階層、身分の男女が登場するが、いずれも一癖ある愛すべき畸人である。先月から習っている「文展(ふみひろげ)の狂女」は、織田信長の想いもの、小野のお通に仕える千代という女性。

40過ぎて、春の東山、月のときは五条の橋のあたりに現れ、首から箱をぶら下げてその中にある一巻の手紙を広げては、哀しんだり、晴れやかになったりしている。

もともとは、岐阜で織田信長の想いもの、お通に仕えるお女中だった。幼き頃より、出仕し、女一般の教養は身に付けて、歌も書もできたが、京から訪れる商人の喜藤左衛門と恋仲になって、三年半ばかり。使用人の身分では、主家の許し無しに恋愛することは許されず、苦しい恋をしていたところ、お通に気がつかれ、特別の取り計らいで、京に嫁ぐことになった。

だが、どうしたことか、京での暮らしは幸せではなく、商売も思うように行かず、二人の気持ちは離ればなれになってしまった。そんな身を嘆いて、お通に手紙を出す。その余白に、

絶果つる ものとは見つつ 笹蟹の糸も頼める 心細さよ 

という惟喬の御子の歌を書き添えてあった。

お通は、それを読んであはれに覚えて、男に便りを送る。

この男、今でいうイケメンだったのではないか。千代は歌も詠め、書も書けるに対して、京の商人は、教養レベルが違ったのだと思う。また、千代は武家育ち。京の商家のおかみさんを勤める器量もなかったのだろう。恋に恋しているときと、日常の生活が始まったとき、悲劇もまた、進行する。

江戸のくずし字を読み解きながら、そんな人生模様まで分かるのは二倍お得な気がしている。

2010/11/8 Monday

芭蕉の旅とは

Filed under: - site admin @ 23:39

芭蕉の自筆本を使っての、おくの細道を読む講座を主宰しているが、このおくの細道は、純粋な紀行文ではない。旅から帰って、三年ほどたって推敲し、出版している。

その旅はけして物見遊山や、豪商に接待されての大名旅行ではない。古今集などに出てくる歌枕を訪ねて、山道をあるき、農家に一夜をもとめ、死ぬことも覚悟のうえの旅だった。

これまで、活字で書かれた奥の細道を読んだことはあるが、自筆本を一字一句丁寧に読み解くのは初めての試みである。さらにその後出版された版本と較べて、文字がどのように変わったかなど、見比べてみると、当時の旅の様子が浮かび上がってくるような気がする。

多賀城で、壺碑を発見したときの喜びをこんなふうにまとめている。

【歌枕多く語りつたふといへども、山崩れ、川流れて、道改まり、石は埋みて土に隠れ、木は老いて若木にかわれば、時移り、代変じてその跡たしかならぬ事のみ。

ここに至りて、疑いなき千載の記念、今、眼前に古人の心をけみす。行脚の一徳、存命のよろこび、羇旅の労を忘れて泪も落ちるばかりなり】

これまでの旅で、苦労して歌枕を探しても、それが石に埋もれていたり、松が枯れてしまっていたり、がっかりすることが多かったから、ここで、出会った壺碑(つぼのいしぶみ)には感涙したのだろう。

こちらも芭蕉の原稿を一字一字確認しながら、この物語を楽しんでいるので、共感を覚える場面であった。講座を始めたときは、こんなに芭蕉に寄り添った旅ができるとは、思いもよらなかったが、楽しみが倍増した気がする。

2010/10/15 Friday

芭蕉の旅は歌枕を訪ねて、の旅かもしれない

Filed under: - site admin @ 22:15

江戸の人たちにとって、平安時代は心の拠り所だったのかもしれない。最近、江戸の文学や古文書を習っているが、芭蕉ですら、西行に憧れている。名所といわれるところは、平安時代に都の貴族たちが作り上げた歌枕だ。

芭蕉の旅するとき、そういう名所を求めて、右往左往する。ときには、この辺りだろうといわれてたどり着けなかったりもする。西行が歌を詠んだところで、同じように、空間を共有するとき、時間は過去も現在も平行して、同じときに存在するのだ。

高校時代、奥の細道を習ったときは、そんな深い思いに気づかなかった。奥の細道の自筆原稿のコピーを題材にゆっくりと味わうように解説があるから、わかるのだ。旅はまだまだ続く。これから、どんな展開があるのか、楽しみでもある。

2010/10/4 Monday

芭蕉のおくのほそ道を読む

Filed under: - site admin @ 23:47

江戸の古文書講座で、芭蕉の自筆本コピーと、版本(自筆本原稿を訂正して印刷したもの)を読み較べながら、おくのほそ道を鑑賞している。これが楽しい。声を出して読むと、江戸に戻ったような気がする。

今日は岩沼の宿からだった。仙台の手前のこの宿では、歌枕にもなっている武隈の松を見て、目覚める心地がすると言っている。能因法師が、「武隈の松はこのたび跡もなし 千歳を経てやわれは来つらむ」と詠んだが、その松は、切られたら、植えられたりを繰り返して、今は千歳のけしきととのいて、めでたき待つのけしきになん侍しと記している。

芭蕉の旅は、歌枕を尋ねての旅ともいえる。

「たけくまの松みせ申せ遅桜」と挙白と云ものゝ餞別したりければ、

 桜より松は二木を三月越シ  (松→待つ、三月→見る を掛けている)

という句を詠んでいる。季節は五月雨の頃である。

そうして、名取川を渡って、仙台に入る。あやめふく日也(五月四日のこと)。ここで四五日逗留する。

2010/6/29 Tuesday

お城で古文書の研究会

Filed under: - site admin @ 23:46

こんな時代に江戸の古文書を読むなんて、優雅なことだといわれた。正確には江戸から明治にかけての文書なのだが、そこには人間のドラマが隠されている。

あの日本経済新聞ですら、欲望のドラマだとおっしゃった方がいたが、明治二年の御用留めにも、それは当てはまる。明治政府が政権を樹立して、まず第一に困ったのは、財源がなかったこと。そこで、太政官札(だじょうかんさつ)という政府紙幣を発行する。

単位は、江戸時代と同じ両。ただ政府に対する信用がなかったので、庶民はこれを使いたがらず、従来の金銀を交換していた。そこで明治二年に覚として、新しい紙幣を使うようにという通達が出ている。本日読んだ、御用留めにもこの話が載っていた。

歴史を再確認するだけでなく、そこに暮らす人々の息遣いまで感じ取ることができたら、それはタイムマシンの旅と同じだ。くずし字の中に、そんな一こまが隠されている。

読めない字も、知らない言葉も多いが、そこは人数が集まれば、やがて解読できる。こちらのパズルを解くような楽しみは、PK戦でゴールを決めるくらいのうれしさがある。

2010/6/16 Wednesday

『近世畸人伝』は、面白すぎる

Filed under: - site admin @ 23:14

『近世畸人伝』を読む夜間の古文書講座。毎回、新しい発見がある。本日は、苗村介洞の妻の話。この妻は後妻なのだが、和歌などの教養を兼ね備えていた人。

題知らず

同じ枝を いかに時雨のふりわけて 青葉が中に紅葉しぬらん

時雨は冬の季語。冬は陰暦では10月から始まる。今の十一月半ば。
紅葉はもみじと読む、和歌の言葉はすべて訓読み、大和言葉を使うのがルール。

八十六歳の辞世の句

海女小舟 八十の湊を漕ぎ過ぎて 彼岸近くになるぞ うれしき

八十もヤソと読む。

2010/6/13 Sunday

古文書通信講座を始めます

Filed under: - site admin @ 23:03

この数ヶ月、ずっともやもやしていたものがあった。自分は必要でないことに時間を費やすしているのではないか。いちばん大切なことが見えていないのではないか、などなど。

人生は何度でもやり直しができるのだと、気づいたのは最近のこと。

そんなわけで、いまさらながらですが、古文書の通信講座を開催します。お問い合わせの多かった、松尾芭蕉を取り上げます。半年間、10回コース。第一回目は、更科紀行を取り上げます。

更科紀行は、奥の細道ほど長くはなく、笈の小文のように散漫でもなく、野ざらし紀行のように俳句が多すぎもせず、芭蕉の紀行文の中でもよくまとまっている小品だといえます。

初心者向けのコースですので、どなたでも楽しめます。半年後には、かなり読めるようになっているはずです。ご興味のある方は、お問い合わせください。

2010/6/10 Thursday

上田秋成展@天理ギャラリー

Filed under: - site admin @ 23:25

6/13までだが、今、神田の天理ギャラリーで、上田秋成展を開催している。会期中無休、入場無料。図録も500円で販売。

長年、東京に通っていて、神田の天理ギャラリーの存在も知らなかった。上田秋成の自筆原稿がふんだんに展示されていて、なおかつ、混み合っていないので、ゆっくり鑑賞できる。古文書を習っているものには、すばらしい機会だし、そうでない人も、江戸の風情を感じることのできる展示だ。これだけのものが東京でみられることは、たぶんみないと思う。6/4に出かけたのだが、明日、再度出かけるつもりだ。

明治大学の企画展「ことわざワールドへようこそ」も紹介しておく。

◎企画展『ことわざワールドへようこそ―時田昌瑞コレクションのすべて―
《主 催》 明治大学図書館 明治大学博物館 明治大学ことわざ学研究所 
《会 場》 明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区神田駿河台)
      中央図書館ギャラリー および 博物館特別展示室
      ◆入場無料
《会 期》 2010年5月28日(金)から、7月19日(月)
      ◆図書館会場は7月7日(水)まで

平日は夜、9:45分まで開館している。ぜひ、こちらにもお出かけください。また、ミュージアムショップでも、図録の販売など楽しめる。

2010/5/20 Thursday

奈良国立博物館サイト

Filed under: - site admin @ 23:12

今年は奈良でさまざまなイベントが開催されてる。知人もいるし、京都に出かけたときは、足を伸ばしたいと思っている。まあ、その間のことというわけではないが、奈良国立博物館のサイトに感激した。空海の書まで電子アーカイブができている。釈文まで用意されているという周到さ。わざわざ博物館まで足を運ばなくても、机の上からのぞくことができる。

奈良にますます行ってみたくなった。

2010/5/19 Wednesday

鷹の数え方

Filed under: - site admin @ 23:06

三年前の話だが、野田村御用留で、鷹狩りについて習った。そのとき、「鷹二居」 と書かれていて、何と読むのだろうかと、調べたことがある。

鷹は江戸時代以前は、一居(ひともと)、二居(ふたもと)と、数えていた。つまり「鷹二居」とは、鷹が二羽いるという意味である。他にも連という字を使うが、こちらも「連(もと)」と呼ぶ。

鷹狩りは、付近の農民にとっても大掛かりな行事であった。

2010/3/28 Sunday

花冷え

Filed under: - site admin @ 23:20

お彼岸が終わったというのに、二月並みの寒さが続く。しまったはずの厚手のセーターを取り出して着ている。季節は江戸時代の旧暦のほうがぴったりくるような気がする。

オシャレな友だちは花冷えの天気だと称したが、桜の花は凍えていないのだろうか。この間、お正月の支度をしたのに、もう来週からは四月が始まる。イタリアでは、本日の日曜日から夏時間が始まった。時差七時間である。

今年は四月が、仕事的にも新しい先生の新しい講座がはじまり、とても楽しみだ。松尾芭蕉のおくのほそ道を自筆本で、学ぶ古文書講座なのだ。主催者側としても、わくわくする。大人になって、わくわくすることがたくさんある人は、生活も充実して、気力もあふれているという。そういういい話は全部信じて、明るく過ごそう。週末があるから、特別なことに挑戦できる。

2010/2/4 Thursday

節分、年内立春

Filed under: - site admin @ 23:41

節分の次の日が立春。これからは日差しも明るくなり、春が近づいているのだという印。今年の旧暦の正月は2/14。つまり、正月が来る前に立春を迎えるので、これを年内立春という。旧暦ではそう珍しくもなく、二三年に一度は来るのだ。

問題は今年の旧暦の正月がバレンタインディーに当たること。お隣韓国の女子大生には由々しき問題らしい。というのも彼女たちは帰省していて、恋人にチョコレートを渡す手段がない。チョコの売り上げも下がるのだろうか。

日本でも日曜日だから、義理チョコはネグってしまうという動きもあるみたい。恋愛が、景気と連動しているだろうか。

今年は日本橋七福神をお参りしたおかげで、文久元年の和菓子屋さんを見つけ、重宝に使わさせていただいている。お薦めは小判どら焼き、栗まんじゅう。餡がたっぷりと、江戸前の味だ。製造から四日間持つので地方発送もしてくれる。

2010/1/13 Wednesday

古文書セミナー、始まる

Filed under: - site admin @ 23:15

新年の最初のセミナが今日だった。前日から資料を用意したり、お年賀の福袋を作ったりと久しぶりに忙しかった。外資系企業に勤めていたときは、その忙しさが通年だったので、いつも週末にはくたくたになっていた。

今は、自分の好きなことを仕事にしているので、疲れも癒される。近世畸人伝に出てくる人物は、みな一癖あって、愛すべき人々なのだが、本日の遊女某尼も変わっている。父が役を解かれ、病になり、それを救うために京都島原の遊女になるが、馴染みの富める男に引かされて、暮らし始める。それを知った男の母親が、意見をするために呼び出すと、髪を切って尼になっていた。もともと両親の供養もあって仏道に入りたいと思っていた、という。

隠し妻とか、色めいたことよりも、京都大原に住まいして、仏行に励んでいると、病になった。医師の診断を拒むので、こまったその男の母が、昔の遊女仲間の大橋を探して、意見してくれるように頼む。すると、某尼は、大橋にこう語る。仏門に入ったとはいえ、わずか20歳の身なので、いつ気が変わるかもしれない。そうなる前に死ねれば本望だから、このまま放っておいてください。その後まもなく、某尼は亡くなるが、最後まで乱れることはなかったという。

そういう変わり者というか、信念のある女たちもいたのだ。江戸時代のことは、一部しか知らないが,もっと学んでみたくなる。

2009/11/16 Monday

芭蕉も悩んで作る句

Filed under: - site admin @ 23:35

更科紀行を、芭蕉の自筆原稿のコピーを使って習っている。実際に書いたものなので、消し込みや、追記があったりして、なかなか面白い。芭蕉はすらすらと句を読んだわけではなく、それなりに推敲を重ねて完成度の高いものにしている。その過程がわかると、安心する。

たしかに活字化された江戸の文学はすらすらと読めるが、原書を一字一字読み解く講座というのも趣がある。各駅停車の旅のように、特急では見過ごしてしまうような風景も見えてくる。まるで、いっしょに旅しているような気分になるから不思議だ。

2009/11/13 Friday

「虎屋・寅年・虎づくし」展 

Filed under: - site admin @ 23:57

赤坂の虎屋本店の二階にある虎屋ギャラリーでは、年に二回、展示会を開催している。今回は、「虎屋・寅年・虎づくし」展が11/30まで開かれている。虎屋の虎ということで、珍しいものの展示が多かった。菓子の製造に関する江戸の文書もある。

小冊子もいただき、これを集めるのも楽しい。虎焼きの作り方ビデオもあって、役にたった。赤坂見附から少し足を伸ばすだけで、すてきな空間に出会える。

2009/9/29 Tuesday

更科紀行

Filed under: - site admin @ 23:48

松尾芭蕉の展覧会が、出光美術館で10/18まで開かれている。

6年ぶりに開かれるこの展覧会、ちょうど更科紀行を学んでいる身には、珠玉のような催しだ。こういう芭蕉の自筆に触れる機会はありそうでないもの。自筆本の推敲付きの原稿を眺めながら、解読していくのは、ぞくぞくするような楽しみがある。活字になったものなら、一時間もあれば読み終えるのに、それを一字一字、意味を捉え、解説していく。

こういう古文書講座が続けられるとは思わなかった。他ではないことをするというのは、リスクもあるが、楽しみも大きい。学習の成果がどれくらいなのか、本物を眺めながら、読み直してみよう。

2009/9/14 Monday

松尾芭蕉の更科紀行

Filed under: - site admin @ 23:29

古文書の秋期コースが始まった。今期は、松尾芭蕉の「更科紀行」を取り上げる。芭蕉の紀行文としては、奥の細道があまりにも有名だが、この更科紀行も小品としてよくまとまっている。

芭蕉の旅は、歌枕の旅でもあった。和歌の歌枕を訪ねて、旅を続けるのであるが、俳諧でこの試みは珍しい。訪ねて行った先でがっかりすることもあったようで、100%満足のいくものではなかったが、得られるものも大きかった。

その更科紀行を芭蕉自筆本から、読み解くという贅沢な講座だ。この自筆本のコピーの使用については、伊賀市長宛に手紙も書いて、使用許可をいただいた。中には、芭蕉のサインもある。仮名が多くて、最初は読み解くのに苦労するが、これに慣れると、先が開けて行くのかもしれない。

2009/8/24 Monday

江戸の古文書講座のお知らせ

Filed under: - site admin @ 20:06

八月はお休みだったので、すっかり忘れていました。
来週からは九月、江戸の古文書講座も始まります。

参加されるお客様の動機はさまざまです。博物館に陳列されている文字が読めたらいいなあ、と思った。お金儲けとは関係のない勉強がしたいと思った。独学で仮名文字は読めるようになったが、漢字はくずしが難しくてやはり、専門家に習おうと思った。などなど。

そして、二月くらいで字に慣れてくるのか、かなり読めるようになります。講師の先生方はもともと、江戸の文学が専門なので、歴史背景や、当時の世相なども織り交ぜて、解説してくれます。

定員14名いうゆったりした環境で、みなさまの理解の早さに合わせて、丁寧に教えるのもマディオセミナの特徴です。

何となく興味をお持ちになった方には、見学コース(一回に限り無料)もご用意していますので、ご連絡をお待ちしております。

2009/8/9 Sunday

Google Earthで江戸の地図を見る

Filed under: - site admin @ 23:51

江戸、明治、東京の重ね地図はもっているが、webベースのものはないかと、探していたら、Google Earchにあるではないか。こんな親切なガイドも発見。

江戸を見るには、レイヤの中のギャラリー、その中のラムゼイ歴史地図を選ぶ。まるで宝探し。東京といれて、ジャンプさせる。江戸の地図が現れた。安政五戌牛年毎月改 江戸日本橋南壱町目 書林 須原屋茂兵衛蔵版とある。

回転させることも、縮小も自在にできて、かなり楽しい。

2009/8/2 Sunday

江戸の八月はもう秋

Filed under: - site admin @ 23:59

江戸時代、春は一月から始まる。夏は四月、秋は七月、冬が十月だ。もちろん旧暦だから、夏の四月は五月下旬、衣替えにちょうどよい季節である。

八月はすでに秋。俳句の世界でも、八月の盂蘭盆会(お盆)も秋の季語となっている。インターネットや携帯、そして電気さえなかった江戸の暮らし。人々はなにを楽しみに生きていたのだろうか。

文献などで分かっているのは、とにかく集うこと。仲間で集まって、お祝いをしたり、食事をしたり、並外れたお金を使わずに楽しい時間を過ごすことをしていたらしい。夜の明るさが足りない分、音には敏感だったのではないだろうか。音読による美しい日本語。漢文読み下しの格調高い日本語。

技術の進歩と、人々の暮らしは比例するはずなのに、どこか、忘れているものがあるようだ。

2009/7/31 Friday

『怪物つれづれ雑談』序

Filed under: - site admin @ 23:46

中国古代・夏王朝の禹王(うおう)は、水中陸上の妖怪を退治し、その姿を九鼎(きゅうてい)に鋳造・彫刻して、国の民に見せさせなさったため、化物たちは先に自分たちの姿形を国の人々に知られてしまい、人々に害を為すことができなくなったという。

今、鳥文斎の主(あるじ)が、不思議な物語を絵図に描き写して、物怖じする子供たちにこれを授け、子供たちの助けとなって欲しいと願った。私もさらにその意図を述べようと、鳥の囀りのような言葉を話す中国人が鬼と光を争うことを恥ずかしく思うと言った、その灯火の光の下で、妖怪の手のひらに文字を書いた、その筆を取るのはそういう次第である。

睦月 白蓮庵 黄亀(びゃくれんあん おうき)述

怪物つれづれ雑談』序は、こんな書き出しで始まっている。江戸時代後期に書かれた黄表紙のひとつで、ばけものの物語だが、なかなか趣がある。

2009/7/29 Wednesday

堅田祐庵、茶人であり優れた食通

Filed under: - site admin @ 23:16

今習っている「近世畸人伝」には様々な奇人が登場するが、この堅田祐庵(かただゆうあん)も並外れた才能の持ち主だった。たとえば、田楽の串を見て、こちら遠くからの到来ものというと、確かに大坂から荷物をぶら下げてきた竹を削って使っていた。また、刻んだ菜を見て、これは男が刻んだもの、と言い当てる。女はもっと優しく丁寧に作るから、女性にやらせた方がいいとのたまう。

さらに、琵琶湖の湖の水をどこの場所からくみ当てたものかも毎回正確に位置関係を指摘する。嗅覚、味覚に特に優れた人だったようだ。そして、独特のこだわりがあって、自分で納得できない食材は使わない。

江戸時代の人の生き様をみていると、いまの時代にはない強さがある。信じるものの強さだ。

2009/7/13 Monday

月曜日の古文書、春期コース終了

Filed under: - site admin @ 23:39

文政4年の旅から、始めた春期講座も今日が最終日。この旅は物見遊山の旅というよりは、連句の会を催し、優れた作品だけを集めて句集を作ることも視野に入っていた。

だからこそ、雨の中も山道も厭わずに旅ができたのではないか。最初に構想したものがあり、それに沿って旅をしている。秋の講座は9月14日から、こんどは松尾芭蕉の更科紀行を取り上げる予定である。

2009/7/6 Monday

月曜日のセミナ

Filed under: - site admin @ 23:53

弊社の古文書セミナは、3コース。それぞれがひと月に二回ある。以前はひと月に三回のコースもあったが、やはり疲れる。ひと月に二回くらいだと、楽しみになって続くようだ。 昔のピアノやバレーや書道のお稽古は毎週だった。お稽古は全部毎週あったのに、いつから三回、二回と減ってしまったのだろうか。人々の暮らしは、以前とは比べ物にならないくらい忙しいから、時間のやりくりを考えてこうなったのかもしれない。

月曜日のセミナは、普通は金曜日に準備するのだが、イベントが重なると、土日を使うこともある。休日に仕事をするのか、と思われるが、平日を代休している。というわけで、月曜日のセミナは、いつも慌ただしい。月曜日に朝一でしなければならない仕事もこなし、資料も準備して、わくわくしながら出かける。

2009/7/2 Thursday

幕末・明治期の日本古写真データペース

Filed under: - site admin @ 23:37

江戸の古文書を習っているが、平成の今、町の変貌は大きく、安政期の地図と、今の地図を見比べたりして、補っているが、完全ではない。

そんな中で、幕末・明治期の写真によるデータベースがあることを知った。長崎大学付属図書館が持っているデジタル資料。たとえば、建築・橋梁で、[江戸城]を選ぶと、当時の古写真が出てくる。

写真のところには、関連図書を探すというボタンもあって、さらに深く調べることができそうだ。デジタルアーカイブは、好きな時間に好きな場所からアクセスできるので、すばらしい。

2009/6/13 Saturday

お城の古文書セミナーを見学

Filed under: - site admin @ 22:07

市主催の古文書セミナー初級が、今日から始まった。土曜日の午後ということで、応募した人も多く、抽選で決めたという。講師は新しい女性の先生。題材も新しいし、とても新鮮な気がする。

二ヶ月後、この受講生の中から、継続して古文書を習いたいという人に、別に5回シリーズの講座が用意されている。それを運営するのが、私たちの仕事。もともと、市が持っている古文書の整理を担当していて、この講座のフォローもすることになった。初心者が、わずか5回の講座で、古文書が読めるようになるとは思えない。継続することで初めて読めるようになるのだ。

そこで初級で習った内容を元に補完するような形で教材を選ぶ。これも大変だが、ボランティアとしてはやりがいのあることだ。自分でも古文書セミナーを主宰しているから、初心者が何を理解し、何が不安なのか、見ていると発見することが多い。

二時間、講座をうけて、さすがに疲れた。初めての方はもっと疲れただろうと思う。

2009/6/10 Wednesday

江戸という時代からもっと学ぼう

Filed under: - site admin @ 23:28

江戸とイタリアが好きというと、不思議がられるが、同じような方がいらした。陣内秀信さんである。昨年、イタリア研究会でも、南イタリアの素晴らしさを講義してくださったが、もともとはヴェネツィアの建物の研究から出発している。

江戸の町は水路が縦横に巡らされていて、それはちょうど、今のヴェネツィアに似ている。手元にある安政期の江戸の地図と、ヴェネツィア観光局の出している地図を較べると、驚くほどの酷似だ。だから、ヴェネツィアを訪れると、懐かしいような不思議な感覚にとらわれるのだ。

そして、その江戸という時代、264年間は、明治+大正+昭和+平成の141年の二倍くらいの長さなのだ。おおよそ、100年単位でとらえると、分かりやすい。後半は文化、経済の中心が江戸に移って、力を蓄えてきた。江戸にしかないものが出てくる。

そして、100年くらい前まではだれでも読めていた江戸時代に書かれた文字を、平成の今、習わないと読めない。100年前の文章が読めない民族は、先進諸国の中では日本だけである。文学部の中から、日本文学科がどんどん消えていき、このままだと、わたしたちは祖先の膨大な遺産である書物を読むことができなくなるのだ。

弊社の古文書セミナーは、こんな意図もあって始まった。字を覚えることは訓練だから、だれでも読めるようになる。中学、高校と古典を原書で教えたら、もっと広がると思うのだが。

2009/5/27 Wednesday

近世文藝の輝き―早稲田大学所蔵近世貴重書展 【5/14から6/18】

Filed under: - site admin @ 23:54

今習っている、江戸の古文書の先生から絶賛された展示会をご紹介する。

近世文藝の輝き―早稲田大学所蔵近世貴重書展―【5/14から6/18】

早稲田大学が、日本近世文学会・平成21年度春季全国大会を開催し、その記念展に日頃はお目にかかれないような貴重な書籍が展示されている。

「和歌、漢詩、俳諧、小説、演劇、洋学など近世文藝全般にわたる古典籍・資料は、の貴重書を厳選し、展示いたします。江戸時代の人々の文藝への情熱や美意識にあふれた貴重書の「輝き」をご鑑賞ください(一部抜粋)」

期間 : 2009年05月14日(木)〜2009年06月18日(木)
会場 : 大隈記念タワー10階125記念室
※ 日曜、祝日は閉室(但、5月17日(日)は開室)
時 間:10:00〜18:00(但、5月16日(土)は18:30まで)
主 催:日本近世文学会・早稲田大学図書館・早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

上野で開催されている展覧会は、どこも順番待ち一時間になっているのに、こんなすてきな展示が、入場無料でゆっくりみられるらしい。本来は、高田馬場まで行列ができてもおかしくないのだが。

なお、この付近には喫茶店は少ないが、代わりに手頃なレストランはたくさんあるので、それなりに楽しめる。江戸が好きな方には、ぜひ見ておいてほしい場所である。

2009/5/12 Tuesday

最近、古文書を読むのが楽しくなってしました

Filed under: - site admin @ 23:11

もともと、古文書講座を始めたきっかけは、佐渡の知合いから託された文書が読めなかったからです。能舞台について興味をもっているなら、古文書が読めて当然と思われていました。

そして、あれから4年、復習も予習もせずにただ講座に参加することと、毎週一回、千葉市郷土博物館で文書整理を手伝っているうちに、読める字が増えてきて、半分くらい分かるようになりました。

まだまだ駆け出しなので、完全に読めるようになるにはもっと集中と反復が必要だと分かっています。これも語学の学習と同じで、一気に勉強しないと身に付かないでしょう。

そこまでの根性はないのですが、博物館などでこれまで避けていたコーナーでじっくりと立ち止まり、鑑賞するようになると、少しづつわかってくるような気がします。

何ごとも楽しいことが一番だと思います。

2009/4/29 Wednesday

錦絵はいかにつくられたか@国立歴史民俗博物館

Filed under: - site admin @ 23:05

ゴールデンウィークの最初の祝日に、前々から気になっていた博物館に出かけた。歴代の館長は存じ上げているのに、千葉にいて出かけるのは初めて。家から車で40分くらい。大きな駐車場付なので、車でも安心。

今回の目的は特別展示の「錦絵はいかにつくられたか」を見ること。江戸の錦絵の版木が見つかって、368枚という世界最大の展示となっている。江戸の当時、版木は高価なものだったから、刷り終えるとまた削り直して再利用するので、残っていることが少なかった。

それが今回、北陸のある家で長年保存していて、木は曲がってくるし、不用なので、隣の家に焚き付けに使ったらと渡して、その方が、燃やす寸前のところで、気づいて届けたのが、発見に繋がったという。まさに神様の手でここに渡ってきたのだ。

錦絵は数枚の版木がそれぞれ色のパーツに分かれていて、それを順番に重ねあわせることで一枚の美しい作品に仕上がる。その見事さ。江戸の職人のクオリティの高さに感嘆した。

また、古文書を習っているので、実物を鑑賞しながら、少し読めるようになってうれしい。江戸東京博物館よりも小規模だが、充実しているような気がした。

常設会場にも、江戸の料理茶屋の展示があって、ゆっくりと楽しむことができた。また、出かけてみたい博物館である。

2009/3/26 Thursday

小倉百句の謎

Filed under: - site admin @ 23:41

五代目團十郎が作った小倉百句の講座が終了した。毎回、雅な百人一首と、そのパロディ版の俳句を比較しながらの講座は、楽しくそして新しい発見でもあった。

その中にいくつかの謎があるが、本来は一対一対応しているのに、なぜか、能因法師の歌のかわりに、良選法師の歌が入っている。つまり同じ歌が二つあるのだ。

橋一つ 越えても 秋の夕べかな 團十郎

さびしさに 宿をたち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮れ 良選法師

そして、故意なのか、あるいは後から気づいたのか、さすがに良選法師だけを後から紹介するのは不自然だと、式子内親王も隣に移動させている。なぜ式子内親王なのかと考えると、おなじページに定家がいる。昔の本は真ん中から折って綴じたから、この二人はぴったりと重なる位置にある。

定家と式子内親王を添わせるために、良選法師の歌を二回使ったのか、謎は謎を呼ぶ。ちなみにこの句集の挿絵は葛飾北斎で、彼は同じ句にそれぞれ違った絵を書いている。丁寧に読み直さなければ、気づかないような巧妙さで、作られているのだ。

2009/3/2 Monday

田一枚植えて立ちさる柳かな

Filed under: - site admin @ 23:17

奥の細道は、松尾芭蕉が、西行の跡と、義経の跡を訪ねて旅した創作紀行文である。その中で、西行遊行柳(芦野・栃木県那須郡那須町)で次の一句を読んでいる。

田一枚植えて立ちさる柳かな

自分は旅人、そして田植えをしている土地の人、その対比と、そして時間の流れを感じさせる句だ。

今習っている文政4年の旅日記で、蟹守は、それを踏まえた句を作る。

高みから旅人聞や田うゑ唄

旅人の、田植えする土地の人の対比、そして音で時間を表している。

江戸時代の旅は、もっと不自由で、知合いの家に泊めてもらうことも多かったが、だが、その分、たくさんの出会いがあったのではないか。死を覚悟することもあったのかもしれない。だからこそ、多少無理しても、会いたい人に会うために旅を重ねた。

2009/2/25 Wednesday

池大雅と、妻玉瀾

Filed under: - site admin @ 23:23

江戸時代の風変わりな、しかしいずれも高潔な人物を描いた『近世畸人伝』を習っているが、池大雅の章が終った。それによれば、気取らぬ人で、高潔、お金には縁がなく、慎ましく暮らし、扇面、提灯などにも絵を書いて売って過ごしたという。

現在、大雅の書画骨董は山ほどあるが、ほとんどが偽物だという。大雅がその時代、高く評価されていないのだから、本物の価値が分からずに散逸してしまったのではないか。100文ほどで求めた扇面は、使い捨てされてしまうだろう。

2009/2/16 Monday

松をあるじにうき世わするか

Filed under: - site admin @ 23:34

文政4年の旅日記を習っているが、上穂、富屋藤助汝蘭亭(とみやとうすけじょらんてい)での俳諧が楽しい。

鵜と鷺はあはぬこゝろや五月雨       蟹守
 芥子を束ねて投げる溝ばた        汝蘭
留守がちにくらす隣の門たちて       守
 けふは将碁に遊ぶ兄弟          蘭
待遠き三夜さの月も跡になる        守
 茶のたつ音になきあはす雁        蘭
ちらり置鳥羽僧正の膝の露         守
 松をあるじにうき世わするか       蘭
百年も事足る布のさらし臼         仝
 をしは在所の恋すゞめ鳥         守

松をあるじにうき世わするか。俳諧は滑稽やひねりが重要な要素だから、そのままの文意を取るというよりは、楽しめばいいと思う。鬱々とした思いのある人が、松の青々と茂った枝振りをみて、しばし、浮き世から逃避する。その人は,本当はお金持ちで、何一つ不自由のない人なのかもしれない。その人が、忘れたい浮き世とはなんだろうか。

2008/11/3 Monday

江戸検定を受験

Filed under: - site admin @ 23:10

なんとなく江戸ブームである。

江戸の古文書や、江戸コミュを主宰していて、江戸検定を受けてみようということになった。取りあえず、三級を受験する。試験というよりは、お祭りにエントリーしているようなものだ。

公式テキストをおさらいして、受験対策会議も開いて、本日、文化の日が受験日。会場最寄りのお茶の水駅には道案内が立っていた。記念に会場前の立て看板を取らせてもらう。
edoken
合格は70%以上の正解ということで、どうなることやら。12月上旬には合否通知が送られてくるとのこと。

神保町界隈では古本市の最終日で、賑わっていた。

2008/7/23 Wednesday

江戸の古文書講座に、イタリア人のゲスト

Filed under: - site admin @ 23:15

仕事をしていて、よかったと思うことは多いが、今日くらい感激したことはない。社会人向けの夜間講座を始めているが、今回、イタリア人のゲストがいらした。ヴェネツィア大学の教授で、専門が日本語、日本文学という。江戸の古文書のくずし文字はお手の物なのだ。

さらに昨日、イタリア研究会でお話を聞いた陣内秀信先生とも、面識があるのとのこと。イタリアと江戸が好きなのは自分だけかと思っていたら、結構いらっしゃるのでうれしくなる。こういう出会いがあるから、セミナは止められない。生きている限り、毎日が発見でわくわく過ごせるのだ。それを忘れないように、しっかりと覚えておこう。

イタリア語ももっと話せるように頑張ります。

2008/7/7 Monday

三夕の讃

Filed under: - site admin @ 23:37

三夕とは、夕暮れを詠んだ有名な歌三首を指す。すなわち、西行の鴫立沢、定家の裏苫屋、そして 寂蓮の槙立山である。これらの歌は定番中の定番で、江戸の俳諧を志す人なら、誰でも知っていた。

いま学んでいる江戸の旅日記では、甲州の豪農、蟹守が広島にやってきて、連句の会に参加する。

そこで、俳諧版の三夕を知り、聞き書きしている。なかなか興味深い句なので、ここに記す。

鴫立沢(しぎたつさわ)  闌更(らんこう)
「鴫立て 暮行墨の 袂かな」

裏苫屋(うらとまや) 
「何もなき 秋や其侭 花紅葉」  完来(かんらい)
「見わたせば 海又うみや 秋の暮」青羅(せいら)

槙立山(まきたつやま)
「墨画にも その色としや 秋の暮」二柳(じりゅう)

2008/6/20 Friday

源氏物語、形代意識

Filed under: - site admin @ 23:38

源氏物語に多く出てくるテーマの一つに、「形代意識(かたしろいしき)」がある。これは、形代、すなわち代わりになる人のことで、若紫は藤壷の形代、そして、浮舟は大君の形代というように繰り返し登場してくる。

源氏の読み方は、さまざまあるだろうが、大人になって学ぶときは、視覚だけでなく、聴覚、触覚、嗅覚を働かせて愉しもう。主人公の心理描写が始まると、表面的には静止しているように見えるが,実はこのあたりから、脇役の女房や乳母たちの活躍がはじまるのだ。

登場人物の苦悩、そして思い乱れの気持ちなど、1000年前に書かれた書物が、今読んでも十分に歯ごたえがあるというのは、やはり紫式部の非凡な才能の賜物だろう。

彼女は宮仕えして、そして、道長との付き合いを経て、政に関する広範な知識も獲得したと言われている。

2008/6/19 Thursday

山の手の わきて流るる 泉かな

Filed under: - site admin @ 23:19

團十郎の小倉百句は、いまでも分かるものと、当時の人になら分かるだろうと思われるものの二つに大別される。下の句は、そのわからないほう。この場所がどこなのか、どうして泉なのか。葛飾北斎の描く川の景色も何かを特定することはできない。

『山の手の わきて流るる 泉かな』 中納言兼輔

ネットを検索してみると、おとめ山公園というのが気になった。ここは江戸時代、将軍が狩りをしたため、御留めされた御留山(立ち入り禁止地帯)なのだ。湧水もあり、蛍も見られるという。豊かな自然が今でも残っている貴重な場所らしい。

2008/6/13 Friday

佐渡の能舞台

Filed under: - site admin @ 13:59

九月に行なう奉納能の打ち合わせも兼ねて、佐渡に来ています。こちらは六月の晴天が続いて気持がよい一日です。

佐渡には、観光で訪れた方も多いと思いますが、バスに揺られてあちこち巡るだけでは、ちょっと物足りないかもしれません。個人旅行のよさは、時間的余裕もまた、日程の変更も気軽にできること。昨日は、両津港について、牛尾神社の能舞台まではまだ時間があるので、両津から歩いていける骨董品店に立ち寄りました。

店主の方が大変博学で、お話しているだけで楽しいのです。名物の草もちもいただき、お茶もお替りしてゆっくりと過ごせました。江戸の版本を探しているのですが、出物があれば連絡してくださることになりました。 佐渡で立ち寄るところが増えてうれしいです。

2008/6/5 Thursday

短夜や夢を漕せる三谷舟

Filed under: - site admin @ 23:13

今日、習ったばかりの句。

本歌は、小倉百人一首の藤原敏行朝臣の『住之江の岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひぢ 人めよくらん』、立派な恋の歌である。

それを五代目團十郎は『短夜や夢を漕せる三谷舟』と、吉原に通う客になぞらえた。まあ、こちらも夢のような恋をするのだと、意気込んでいくのだから、江戸風の恋歌なのかもしれない。

歌舞伎でも江戸は上方に対して、荒事が好まれたというが、それは女性の絶対数が足りなくて、男だらけの社会だったからではないか。あまり知られていないが、大店は男性だけで切り盛りしている。台所方も男性。食事の用意をするのも小僧さんたちの仕事。白波五人男の浜松屋でも、女性の店員さんは出てこない。

一方、武家は参勤交代で国元に家族を残している。江戸の町では、女性が少ないから、吉原通いは公然のこととされていたようだ。長屋ではかかあ天下になるのも、女性が少ないから、威張っていたのだろう。

2008/6/3 Tuesday

お城の古文書講座

Filed under: - site admin @ 23:28

家から歩いて10分くらいのところに、千葉市郷土館がある。そこで毎年開かれている古文書講座に参加したのがご縁で、いまでは、ほぼ毎週、招集されて、古文書の分類、整理の仕事を手伝っている。

メンパーはこの館で開催された古文書実習講座を受講した後、古文書の取り扱いについて、指導を受けている。今日は一日雨だったが、好きな古文書を眺めながら、昔の人と対話する。今日、読んでいたのは、善生寺という土気にあるお寺の文書だ。前欠、そして、下書きなので、推敲の跡もあり、とても人間臭い。

読める字があるとうれしくなる。これを書いていた人は何を考え、どんなところで書いていたのだろうか。今のようにワープロやパソコンが無い時代に、お上への提出書類は、一字足りとも間違うことは許されなかったのではないか。

七月からまた、入門を終えたばかりの受講生向けに、初級の学習会を開催することになっている。こちらの日程や基本方針を話し合った。人を教えることは、責任があるので、まず自分が勉強しなければいけない。それが身に付くようになるまで、集中して学ぶことが大切だ。

2008/5/26 Monday

江戸を旅する

Filed under: - site admin @ 23:30

六本木ヒルズで、5/23(金)に「地図で見る江戸・東京」というテーマで講演会があった。講師は、正井泰夫氏。

参加者には特典として、江戸の地図が配られた。それを見ていると、歌舞伎の中に出てくる地名がたくさんあって、楽しくなる。本所深川には誰が住んでいたのか。あの髪結いはこの辺りに住まいするとか。見ていて、飽きない。

江戸は徳川家康が開いたといわれているが、それ以前にも武蔵国として存在している。現在では東京都になっている葛飾区の辺りは、かつては下総国に含まれていたらしい。この場合の国境は大川(隅田川)である。

江戸の人々が現在の山の手というよりは、下町に集中して暮らしていたのも、実は水を取るためで、台地には水を引くことが大変だったという。明治になって、水道が引かれるようになり、東京の西も急激に発達するのである。 私が住んでいた昭和40年頃の国分寺もそんな町だった。

江戸は、調べれば調べるほど、知りたいことが増えてきて、興味がつきない。江戸の旅日記の方では、伊勢参りの道中が描かれていて、旅の楽しさ、そして、人との出会いが随所に描かれている。このいう文章を今、読むことができるのも幸せなことだと思っている。

2008/5/22 Thursday

團十郎の小倉百句を読む

Filed under: - site admin @ 23:46

小倉百人一首という雅な和歌に対して、俳諧という対極にあるもので小倉百句を作り上げた。作者はあの五代目團十郎。版本になっていて、挿絵は葛飾北斎である。

句も本歌の優雅さから、庶民の生活に視線を合わせ、滑稽さをねらっている。そして、挿絵も百句というからには、百通り、季節や行事に合わせて描き分けているのだ。この二つの江戸の粋が掛け合って、小倉百句はできている。

この講座、たぶんどこにもないはず。江戸について語れる人は多いが、それなりの専門知識があって、それを正確に伝えることのできる人は少ない。そんな希有な講座を隔週楽しんでいる。

2008/5/18 Sunday

京都の渋い古本屋さん

Filed under: - site admin @ 21:38

京都の友だちが、骨董市のブースでガラスケースにいれた本を販売している書店で買い物をした。リアル店舗では、もっと心の籠った対応をされたそうだ。専門分野の古い本がたくさん置かれているという。京都はいいなあ、今度出かけたとき、立ち寄りたいと思った。

すると、友だちから送られてきた住所と書店の名前には、何か見覚えがあった。たまたま今日、別の探し物をしていて見つかった本の包装パック。その送り先と、書店の名前が一致した。ここには昨年の秋、順徳天皇関連の図書を注文していたのだ。もちろん、ネットで見つけたから由来は知らない。

最近、こういうシンクロがよく起きる。この友だちとは、距離が離れているのに、あうことも多い。不思議な縁だと思っている。

その古本屋は、キクオ書店という。〒604-8005 京都市中京区河原町通三条上る恵比須町430  TEL 075-231-7634

2008/5/8 Thursday

江戸人の教養

Filed under: - site admin @ 22:39

知合いに江戸文学の専門家がいるが、まるでこの時代に暮らしていたかのように、何を聞いても答えてくれる。

江戸の識字率は当時の世界レベルでも、非常に高かった。では、なぜそうだったのか。生活に必要だったのである。中流以上の人々は、俳諧の師匠のもとに入門し、修業した。五代目團十郎も、十一歳くらいで入門している。これは、俳諧というのがひとつの教養だったことの現れである。

一方で、農村でも読み書きは必須だった。年貢米から、金子借用から、土地争いから、証文、お訴え、覚え、など書面が夥しく残されている。日々の暮らしの中で、読み書きは当たり前だった。

江戸の旅日記や、江戸の俳諧には、中国の故事もよく出てくるが、必ずしも原書を読んでいたわけではない。誰かが書いた引用や、人口に膾炙したものがあったから、元の由来は知らなくても、有名な言葉がいくつもある。

たとえば、松江の鱸
中国 上海にある松江(ショウコウ)で取れる鱸は、中国四大魚の一つに数えられている。

そこで、團十郎が作った小倉百句の1つを披露しよう。

阿倍仲麻呂

検唐使 洗ひ 鱸を命かな

(百人一首 本歌  天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも)

2008/4/5 Saturday

グーグル Adwordsに登録しました

Filed under: - site admin @ 23:32

4/3に『團十郎の小倉百句を読む』、の古文書講座が開かれたが、内容は聞いたことのないような話ばかりで、すばらしかった。これだけ資料を読んで、講義の内容にまとめてくださる講師の先生のためにも、もっとたくさんの人に聴いたいただきたいと思ったのだ。

長年、セミナを主宰しているが、参加される人の関心や熱意で、講師のもつ実力はどんどん大きくなっていく。先生というのは、そういう聞き手の期待に応えようとするものなのだ。それを目の当たりにしたとき、セミナを主宰していてよかったなあと思うのである。

セミナに参加される方は、ご縁があって、いらっしゃるのだから、来た方に、よい時間を過ごしたと思っていただきたい、そう思って営業することにした。

お茶もお花も、お稽古道は余裕から生まれるもので、ここに集う人にも当然、その思いがあるはず。そこに弊社の強みがあるのかもしれない。他では聞けない話を講師から引き出す、あるいはお客様の気持ちに沿って出していく。少人数でいいから、満足されて帰っていただければと思っている。

そして、Adwordsに登録して、広大なネットの海の中から、この講座を見つけてくださったらうれしいなあと、密かに楽しんでいる。江戸の古文書で、検索してみてくださいね

2008/3/17 Monday

4月から、社会人向けの江戸の古文書講座始めます

Filed under: - site admin @ 23:30

昼間の古文書講座には通えないので、夜はやらないのですか、という声が結構多かった。経験者によると、退職してから新しいことを始めてもだめで、助走期間として、二三年前から準備が必要らしい。

というわけで、4月から夜間コース【近世畸人伝(きじんでん)を読む】 19時から21時 も開催する。江戸の人々の暮らしを知り、ついでにくずし字も読めるようになれるという贅沢な講座だ。他ではできない価値あるサービスをと、心を配っている。

他にも五代目團十郎が作った「小倉百人一首」のパロディ句集、『小倉百句』を読むというコースもある。こちらは歌舞伎が専門の講師の先生が企画してくれたので、中身の濃さも違う。成田屋さんのサイトでもご紹介いただいた。参加された方が満足されるよう、みんなを巻き込んで頑張っている。

2008/3/3 Monday

江戸の俳人の旅日記

Filed under: - site admin @ 23:58

山梨の豪農、五味蟹守の東海道の旅はようやく名古屋まで来た。新幹線というよりは、各駅停車の旅だが、とても楽しい。講座を受けるということは、共に学び合うこと。仮名文字が少し読めるようになると、奥の細道のさわりの部分にも挑戦してみて、なんとか読める。

古典の講座は数あるが、文学作品や旅日記を原文書で読む試みは、珍しいことなのだろう。人がやらないことを先にやるのはわくわくする。少しづつではあるが、読める文字が増えて来るのは頼もしい。

2008/2/25 Monday

東海道を旅する

Filed under: - site admin @ 23:41

といっても、江戸の旅日記なのだが、その地名が旅心を刺激する。

鰍沢、身延山、万沢、由井、奥津、江尻、久能山、府中、岡部、藤枝、金谷、袋井、見附、浜松。広重が描いた『東海道五十三次』を眺めながら、当時の旅の風俗、風景を思いやる。

いま山手線や中央線の駅名を聞いても、それほど感動しないのに、百年以上も前の旅日記がわくわくするほど楽しいのはなぜか。

作者は名所で、それを盛り込んだ俳句を詠んでいる。風流とも、滑稽とも取れるが、それが旅の面白さを増加しているようだ。

2008/2/22 Friday

週末に止まっていたことをリセットする

Filed under: - site admin @ 23:09

一週間って本当にありがたい、と最近思うようになった。会社員でなくなって、時間的な制約はかなり緩やかなのだが、それでも平日の午前中にスポーツクラブに通うときは、目立たないように皮のくたくたバックを下げていく。

歌舞伎に出かけたり、朝好きなだけ寝ていられるのは週末の特権だろう。

そして、週末のもう一つの良さは、その週に止まっていたことをリセットすること。調べものを始めて資料をあちこちに広げていても、週末には片付けてしまう。できてもできなくても、一週間の区切りというわけだ。これをしないと、未決の仕事だらけになって、肝心の仕事に手がつけられない。

月曜日の朝、早起きしてスケジュールチェックから始めるとして、週末は着付けの練習と、古文書の読みを中心に過ごそう。どこにもでかけなくても、十分に楽しい。

2008/2/18 Monday

江戸の俳人の旅日記

Filed under: - site admin @ 23:53

新講座『江戸の俳人の旅日記』、だんだん面白くなってきた。甲州から出発した旅も大井川を蓮台で渡る所まできた。当時の旅は、メイルも携帯もないから、かねてより文通していた知合い宅を直接訪問する。運がよければ会えるが、留守をしていることもあるのだ。農村文書でも、わざわざ出向いたが、いなかったというくだりを習ったことがある。

明治時代でも、漱石が葉書を午前中に投函して、夕方訪問するというのが書かれていた、東京の都内ではそんなことも当たり前のように行なわれていたのだ。

参加されているお客様から、一月近く間が開いたので、古文書の勉強をしたくてたまらなかったと言われた。そのくらい、楽しみにされているのは講師冥利に尽きる。楽しみながら、進み方はゆっくりでいいから、丁寧に教えてほしいという要望があった。当たり前のことだが、なかなかそれが実現できない。学校ではないのだから、たとえ半年前に提出したカリキュラムでも、参加された方の知識や経験で、自在に変えていいのだと思う。そういうのが、少人数の講座の強みである。

2008/2/16 Saturday

熱海、能楽の旅

Filed under: - site admin @ 23:41

長いこと思っていて実現できないことがある。ほんの少し頑張れば手が届くのに、忙しいのを言い訳にしている。というわけで、今年、思ってから4年ぶりに熱海に出かけた。MOA美術館で、尾形光琳の紅白梅図屏風紅白梅図屏風を見るのと、定期演能会を鑑賞するという、能楽の旅。

やってみたら、難しいことは何もなかった。前日に能楽チケットを予約し、受付でその旨を申し出る。熱海往復の新幹線チケットは、東京駅のみどりの窓口で当日販売している。熱海までは東京から約1時間。京都に行くときによく見ている風景なので、すぐに分かった。神奈川在住なら、踊子号もある。

熱海からは美術館まで、タクシーで行ったが、バスも運行している。新幹線はこだまなので、一時間に二本、30分間隔で走っている。海も見えるし、適当に遠いし、日帰りにはぴったりの場所なのかもしれない。今日は天気もよく、庭園を歩く楽しみもあり、抹茶をいただく。

紅白梅図屏風は、思ったよりも小さくて、これは非常時に女子供でも抱えて持ち出せる。金色もくすんで落ち着いていた。展示室には椅子も用意されていて、遠くから眺めるとまた、趣がある。能楽は、雲林院と、狂言の土筆。どちらも初めての演目だった。シテ方の熱演で、久々に能楽の醍醐味を味わう。能楽堂は建物のなかに併設されていて、豪華な舞台だ。定期演能会は二ヶ月に一度開かれている。

帰ってくるときはまだ明るかった。4年間待って、ようやく出会えたのだが、本日は着物での外出。光琳の絵を見るには、江戸姿もいいかと思った。展示室には手紙類もいくつか並べてあって、一部は内容がほぼ分かる。字のくずしや、跡式などという用語に見覚えがあって判読できるのだ。これもうれしいことのひとつだ。

2008/2/1 Friday

読めない字が読めるようになる感覚

Filed under: - site admin @ 23:10

なぜ、英語を学ぶのか、あるいはイタリア語を習うのか。言葉が話せるようになると、その国の人と会話ができ、お互いの意思疎通が計れる。それは文化を学ぶことだったり、政治や歴史を深く知ることだったりする。

今、江戸の古文書を習っているのも、江戸人との対話をしたいからだ。ほんの百年くらいまえに、当たり前に読めた文書が読めない。日本人なのに着物は着付け教室に通わないと着られない。どこかに文化の断絶があるのだ、ぜったいに。

それは明治ではなく、たぶん、第二次世界大戦後だと予想する。佐渡で水田や道路の利用形態を調べていると、奈良時代の条里制が戦前まで残っていたことがわかる。文明開化ではなく、デモクラシーがわたしたちの生活を変えてしまったのだろうか。

江戸の古文書を読んでいると、少しづつだが、読める字が増えてくる。今日も奉公人請状で、「御年貢不足に付、御奉公」 する話が出てきた。来年の三月五日から、翌年の三月四日まで、一年間の奉公が二両なのだ。弘化四年の文書だから、もう幕末に近い。文書を読んでいくと、いつも語りかけてくるものがあり、ドラマを感じる。読めない字が読めるようになると、扉がひとつ開くのだ。これを知ると、嵌ってしまうのだろう。

2008/1/29 Tuesday

変体仮名のつづき

Filed under: - site admin @ 23:36

江戸の文書を読むにも、変体仮名が大切だ。これが漢字なのか、仮名なのか、文脈から見当をつけて、読んでいく。

変体仮名をまとめた冊子を作って、その都度、確認するようにしたら、かなり分かるようになった。

春_す、丹_に、耳_に、天_て、須_す、流_る、登_と、本_ほ、免_め。

こういうのは自分ではなかなかやれない。テキストの中に出てくるので、繰り返し読んで覚えていく。

学問に王道なし、努力した分は身に付く。そんなにガリガリとやる必要はないから、愉しみながら学んでいこう。これが一通り読めるようになれば、応用も聴きそうで楽しい。

2008/1/25 Friday

亥鼻古文書倶楽部

Filed under: - site admin @ 23:32

今年からほぼ毎週、金曜日は千葉市郷土館に通っている。ここに収蔵された近世文書の分類整理と、そして、一月に二回開催される初心者向け古文書講座の運営を任されているからである。

ここにあるのは地方文書といわれる農村文書で、土地争いから、名主交代のお願い、幕末になると、藩の上屋敷に交代で村役人が詰めていて、通行の記録まである。いずれも一点しかない貴重な資料だ。その中からメンバで輪読する資料、次回の勉強会で使う資料の選定など、決めなければならないことがたくさんあって、あっという間に一日が終ってしまう。

その中でも文書と向き合っている時間はいちばんすてきだ。コピーではない本物の資料を広げていると、何かしら語ってくるものがある。これは、わたしだけではなく、他のメンバもそう感じていることだ。墨と和紙というアーカイブが、二百年以上前の出来事を忠実に語ってくれる。それを読み解いていると、もっと知りたいと思うようになるのだ。

くずし字の勉強は、その入口のようなものだ。それを知ることにより、新しい世界が広がる。

2008/1/21 Monday

江戸の旅日記、新講座始まる

Filed under: - site admin @ 23:54

古文書講座が一新して、江戸の旅日記を取り上げる。これが初めてのことで、仮名のくずしが読めないのだ。これまでの農村文書に較べて、同じ豪農が記した記録なのに、文字の使い方はまったく違っている。

お教室のみなさまも戸惑っている様子があって、どうなることかと心配もしたが、逆に言えば、これまで足りない部分を学ぶのだから仕方のないことかもしれない。仮名が読めるようになれば、博物館の展示物もかなりの割合で読めるようになるだろう。幸い、来週にもう一回あるので、しっかり復習しておこうと思った。

江戸は二百年以上あるのだから、学ぶことはまだまだたくさんある。

2008/1/10 Thursday

今年の目標を考える

Filed under: - site admin @ 23:46

気が付いたら、もう10日、一月が始まって1/3過ぎてしまった。ちょうどよい機会なので、2008年の目標を考えてみる

  1. 佐渡の能舞台 この4年間の調査と研究を本にまとめる

  2. 女性のためのキャリア・デザインの本を出す  女性が社会または企業の中で生き生きと働くためにはどうしたらいいか

  3. イタリアの快楽 ベネチアの愉しみ方 これは各都市ごとにシリーズで出す

  4. 江戸学事始め  江戸の始まりから、文化、政治にいたるまでを分かりやすくまとめる

  5. 初心者のための古文書の学び方  これまでの学習の成果やヒントをまとめたい

本にするタイトルだけでも5つある。さて、どの時間帯をこれに割くか。知合いの研究者は夕食後、仮眠して、11時頃から明け方にかけて仕事をしたという。また、少し仮眠して、仕事に向かうのだ。たしかに、日中は通常業務があるから、集中して机に向かうことは難しいだろう。

この他に古文書講座を2つ開設する。一つは昼間の初心者コース、そしてもう一つが社会人のための夜間の初心者コース。これまで、古文書を学びたいという方から、夜の部はないのかとよく聞かれたが、4月から開講する。

忙しくなるのではと心配される方もいるが、好きなことをやっている分には疲れない。むしろ楽しさが増すのだ。

2008/1/7 Monday

古文書と格闘する

Filed under: - site admin @ 23:29

大人の学習というのは、座って講義を聞いていれば、なんとなく知識が付くように思うが、それは違う。頭や目や手を使って身体で覚えないと、すぐに忘れてしまう。

今習っている着物の着付けもそうだ。どこで紐を用いればいいのか、なにをどこで使うのか、身体で覚えるしかない。

古文書もしかり。本日の外出中もノートと鉛筆セットを握りしめて、なんども繰り返し読んでみる。済口証文といって、もめ事があったとき、内済したもの。事件があって、経過説明があって、登場人物、所属する村、訴える先などが定番のように出てくるのだが、すらすらと読めない。

乱暴を乱妨と表記する。そういう江戸特有の言葉遣いは、覚えないと先に進まない。字の形状はよくみたことがあるのに、読めない字があると、知りたいと強く思うものだ。最初から最後まで苦労の連続というわけではない。類推して、確認すると当りのときは嬉しい。読めない字が二三日置くと読めることもある。

継続と反復が語学学習の基本だから、江戸のくずし文字も同様だろう。この数ヶ月間できちんと基礎知識を身につけよう。

2007/12/22 Saturday

土曜講座が無事終了

Filed under: - site admin @ 23:35

どうしても受けたい内容だったので、土曜日の午後、隔週で飯田橋まで出かけていた。本日、最終講義が終了する。宿題もあって、途中、一日休んだが、なんとか終えられた。

講座が続けられるかのキーポイントを5つあげて見る
1. 先生の教え方がすばらしい
2. 受講生にすてきな方がたくさんいる
3. 講座の内容が他ではきけないものである
4. 教室全体の雰囲気がよい
5. 事務方のサポートが的を得ている

そして、この講座は3のみ。初めてのテキストなので、本当に参考になった。始めた当初はまるで分からなかったのが、理解できるようになり、やはり、継続することは大切だと思う。毎回、予習、復習をしないとついていけないので、外出するときは必ずテキストを持参した。内容についても、半ば暗記してしまった。こんなに勉強したのは久しぶり。このペースを維持したいと思う。

2007/12/18 Tuesday

夢中になれるものを見つける

Filed under: - site admin @ 23:34

一年前には、予想していなかった人生がある。これは意外と普通。だれにでも等しく起こりうる事。

その中で、自分が楽しくて、夢中になれることを見つけられたら、これは幸運としかいいようがない。最近、講座を通じて、古文書の楽しさがわかってきた。地下鉄の中で、文書を広げていると眺めていると、不思議そうに覗き込む人がいる。そのうち、研究施設からスカウトがかかるかもしれない。

闕字(けつじ) 敬意をあらわすために、本文中、一字分空けて表記する

平出(へいしゅつ) さらに敬意を表す場合に用いられる。一行改める。将軍が鷹狩りにでるときの書類に出てくる。平頭抄出の略

学生時代、もっと熱心に勉強していたら、進路も変わっていたかもしれない。

2007/11/26 Monday

一月から、新しい古文書講座が始まります

Filed under: - site admin @ 23:36

これまでの農村文書から、少し離れて、2008年の冬期講座は旅日記を題材に勉強します。

甲州の俳人五味蟹守は文政三年(1820年)、七ヶ月をかけて、西は広島の宮島までの大旅行を行ないました。

蟹守は豪農で裕福でしたが、ただ物見遊山の旅ではなく、俳諧修行をかねての旅でした。行く先々で句会を開き、また俳文の収集に努めています。旅日記を手がかりに、江戸時代の俳人の旅を追体験していきます。

2007/10/31 Wednesday

世田谷を歩く

Filed under: - site admin @ 23:54

昨日の江戸から学ぶ会の復習をしているような一日だった。世田谷でランチミーティングのあと、世田谷美術館まで歩いた。

明治11年の区郡でいうと、駒澤町で中食、その後、玉川村から砧村に向かう。

このリンクを見るとわかるが、今の行政もこの明治の区郡に沿って作られている。今の23区よりもずっとこちらの方がわかりやすいのだ。

ここは展示物だけでなく、公園もたのしい。用賀まで歩きながら、世田谷の秋を満喫する。

世田谷美術館では、福原信三と美術と資生堂
2007年9月1日(土)-11月4日(日) 1階展示室
を見てきた。懐かしいポスターや、口紅、化粧品のパッケージが飾ってあった。時代を作っていたコピーや、女優さんたちが並んでいるのは壮観だ。

2007/9/5 Wednesday

電子データのすごさ

Filed under: - site admin @ 23:56

ここ数年、探し求めていた書籍をネット上で見つけた。電子アーカイブになっているのだ。購入はできないが、ぜひ手元に置いてみたい本がある。それがhtml形式や、PDFで提供されているのはすばらしい。

論文を書くのにわざわざ図書館に出向かなくとも、インターネットの検索機能を駆使すれば、かなりのことがわかる。もちろん、あの本をぺらぺらと捲る楽しさは違うと思う。ただ、そんな余裕のない時、電子データを活用することで、ユビキタスを実現できる。

早稲田大学は江戸コレクションでもお世話になっている。

2007/9/3 Monday

古文書講座、秋のコース・スタート

Filed under: - site admin @ 23:12

四年前に始めたときは、続くのだろかと心配された古文書講座、いまでは、20名近いお客様がお見えになっている。みな、油井マジックに魅かれ、古文書を読む楽しさを知ったものたちだ。

歴史で習った話と、実際の庶民の残してくれた記録から浮かび上がってくる江戸の人々は違う。こんな人たちが暮らしていたのだと思うと、誇らしくもあり、嬉しくもある。受講生のみなさまと共に、学ぶことは、本当に楽しい。大人になって、真面目に何かを学びたいと思うのはなぜだろう。学生時代、熱心に勉強していなかったのに、今になって、知りたいことがたくさんある。

2007/7/31 Tuesday

難解なるもの、野田村文書

Filed under: - site admin @ 20:25

今通っている古文書中級講座、全員が順番に解読文を読み上げることになっている。農村文書特有の言い回しもあって、わずか150年くらい前の文書なのに、格闘している。

『乍恐以書付奉願上候 おそれながら かきつけをもって ねがいあげたてまつりそうろう』とあるからには訴えた文章で、相手方がいるはず。

夏の日にこの難解なるものを解読するのも、また一興か。とはいえ、仕事の合間に頭を休めるはずが、休息になっていません。引き続き、解読中。

2007/6/13 Wednesday

野田村の御用留

Filed under: - site admin @ 23:36

千葉市の中級古文書講座がはじまった。現誉田町、旧名野田村の名主が残した農村文書である。ここは、生実藩の知行地であった。

この講座は初回に受講者全員の簡単な自己紹介があって、前回から受講している人が順番に読み合わせしていく。毎回、少し予習していかないと付いていけないだろう。そんな緊張感もあって、愉しいのだ。ただ聞くだけのセミナだと、参加している実感が薄いが、ここでは、ひとりひとりが発表の場が与えられている。

今年は知人も参加しているので、なにかと心強い。5回シリーズ、休まないように頑張ろう。

2007/6/7 Thursday

『鳥居清長 江戸のヴィーナス誕生』

Filed under: - site admin @ 23:54

千葉市美術館で開かれている『鳥居清長 江戸のヴィーナス誕生』に出かけた。出品総数267点の大掛かりな展覧会だ。日本だけでなく、アメリカの美術館からの作品も展示されていた。これほどの規模の展覧会も貴重だ。平日の夕方だったので、ゆっくりと鑑賞することができた。どの絵も保存状態がよく、まるで昨日描かれたかのように生き生きしている。

吾妻橋
江戸の風物は、芸者と歌舞伎役者に尽きる。歌舞伎役者は名跡を今なお継いでいるので、知った名前を発見すると嬉しくなる。江戸っ子たちが歌舞伎に熱狂した様子がわかるようだ。女たちも、みな粋で風情がある。6月10日まで。

2007/5/13 Sunday

企画展「風俗画と肉筆浮世絵 館蔵肉筆画の精華」

Filed under: - site admin @ 23:38

たばこと塩の博物館では、4/14から7/1まで、企画展として「風俗画と肉筆浮世絵 館蔵肉筆画の精華」を開催している。江戸の古文書を扱う身としては、江戸に関わる風物、地図などを見ておきたい、と思い、出かけてみた。

パルコのある公園通りを登って、東武ホテルの真向かいという渋谷の便利な場所にある。この辺りはよく通るのに、これまで気づかなかったが、不思議なくらいの立派な博物館だ。入館料も今時、100円大人というのもうれしい。

内容もすばらしかった。専売公社の昔から収集していた肉筆の浮世絵が、一堂に介していて、風俗を研究される方も満足されるだろう。土日には、関連する講演会も開かれている。また、後期を見に行こうと思った。
edo-ukiyoe

2006/11/30 Thursday

古文書から人々の暮らしを知る

Filed under: - site admin @ 21:31

千葉市では、いくつかの古文書教室が開かれているが、郷土館で実施している古文書実習は、本当に充実している。

最初に古文書の取り扱い方の注意があって、毎回、本物の古文書に触れながら解読文を作っていく。判別できない文字などは、同席する三名の指導員に聞き、1つの文書を読み終えることができる。

そして、各班ごとに課題の文書について、歴史やその地域のできごとなど丹念に調べて、発表の機会が与えられている。毎回の宿題、そして、最後に課題の発表と、ぼんやりしている暇はない。

この講座は二週間に一度開催され、全部で7講座、定員20名、料金は無料。毎回、参加者が多く、抽選になるらしいが、運良く今年は参加することができて幸せだ。

どの地域にも古文書は残されていると思うが、このように本物に触れ、そこから人々の暮らしまで考えるという講座はとても貴重だと思う。わたしたちの班が担当しているのは上総国山辺郡小山村の土地争いの話だが、そのなかに出てくる「いもが谷」という地名がよくわからなかったが、本日、絵地図をみることで、とろろ芋のような形で入り組んでいることがわかった。そこに草や木が繁ると隣村との境が曖昧になるのは、よくわかる。

絵地図も大元の他に、各村々で保管しているものがあり、色合いや絵が微妙に違う。道は赤く記されているのは共通だが、地域によって、水路などの色分けが変わってくる。

古文書実習の二時間は、平成の今ではなく、天保三年に生きているような気がして、わくわくする面白さがある。

2006/11/7 Tuesday

大学というパワースポット

Filed under: - site admin @ 23:09

弊社に案内が来ていた「岡田家文書の世界」を見るために、国立まで出かけた。
kunitachi

一橋大学附属図書館の別室に古文書、絵地図、資料等が展示されていて、朝一番で入ったので、独占状態。ここに一時間程いて、何人かの学生と出会う。日頃から古文書セミナを主催しているが、本物の文書に触れる機会は貴重だ。

岡田家は、河内国丹南郡岡村(現大阪府藤井寺市)の豪農で庄屋も代々世襲していた。いつも習っている山城国の庄屋の話と似通ったところが多く、より理解が深まる。

見たい資料を丹念に眺めた後、時間があったのと、天気が心地よかったので、校内の石のベンチに座って、持って来た本を読んで過ごす。上の写真は、大学構内の建物で、まるでフィレンツェに来ているようだ。建物の中も窓が凝っていて愉しい。

公開セミナなどで、東京大学にもときどきお邪魔するが、ここのキャンパスも散歩コースとしてすばらしい。大学の校内は、まだまだ一般の人が気軽に入れる。写真には取っていないが、乳母車を曳いたお母さんや、近くの保育所の園児たちが日光浴に来ていた。地元の老人たちも何人も来ている。

大学は学問する場所というよりは、パワースポットなのではないか。

展示会は11/16まで開催中、9時半から16時半まで。最寄り駅、JR国立。

2006/9/4 Monday

古文書の中にある人間模様

Filed under: - site admin @ 23:09

古びた巻物、紙の綴りである古文書の中に、生き生きとした人間模様が描かれていると知ったら、もっと古文書を読む人が増えるのではないか。田畑を手放して、駆け落ちする話や、土地の境界線を巡っての駆け引きもある。

高校の古典で習う源氏は若紫のあたりで、どろどろした愛欲の世界は出てこない。国立劇場で高校生のための歌舞伎鑑賞講座があるが、忠臣蔵のお軽と由良之助の色町のシーンを見せたらいい。

オペラも快楽である。人間の上質な快楽を表現している。ITの世界に人間模様はあるのだろうか。 web2.0とはそんなものを具象しているような気がする。

2006/6/12 Monday

江戸の書簡

Filed under: - site admin @ 13:27

何かを見て、まったく別の視点からのヒントになることがあるが、わたしにとっての歌舞伎がそれだと思う。もちろん、芝居、狂言だから事実の正確な再現ではないが、それにしても伝統芸能というのは何気なく伝わっている本質があるのだと思う。

たとえば手紙。忠臣蔵、京都祇園の一力茶屋で由良之助が届いた手紙を読んでいるとお軽が手鏡を使って盗み見てしまう。昨日の芝居、暗闇の丑松でいえば、恋女房のお米が遊女になって出ていた板橋から手紙をもった使いの者がやってくる。かみさんはそれを遊女からの手紙と誤解して、破り捨てる。実は、お米が首をくくって死んだという知らせだった。

江戸の人々は、電話もメイルもないからとにかくよく手紙を書いた。手紙は相手に届くと手元にはなにも残らないから、必ず控えを取る。それが今、江戸の古文書としてわれわれが学んでいるものなのだ。江戸の400年間には夥しい手紙のやり取りがあったと思う。ほとんどは散逸してしまったが、中にはまとまってひとつのテーマで保管されているものもある。

この江戸の古文書、明治の人々はすらすらと読むことができた。それからわずか100年しか経っていないのに、もう歯が立たないというのではさみしい。歌舞伎の中から、江戸庶民の暮らしぶりが彷彿されるように、古文書の行間からも、人々の生き様がうかがえる。

2006/5/8 Monday

古文書はこんなに魅力的、特別セミナ 6/17

Filed under: - site admin @ 0:09

古文書なんて、一生読めないと諦めている方、一度だけお付き合いいいただけますか。

2006年6月17日 14時から16時

油井宏子先生の古文書セミナは、これまでの常識を打ち破り、こんなに面白いものを放ってはおけないと、意識が変わります。江戸の文字は、100年くらい前の明治の人々は読めていたのですから、大丈夫、あなたも読めるようになります。

『古文書はこんなに魅力的』を読んだ人も、読んでいない人も楽しめるセミナを開催します。
http://www.madio.jp/ko/miryoku-60617.html

江戸時代、ここ人形町のお隣の日本橋に、大呉服商白木屋(しろきや)の江戸店(えどだな)がありました。本店(ほんだな)は京都にあり、江戸の店は支店ということになります。

その白木屋日本橋店は近代になっても形を変えて引き継がれ、1999年1月31日に東急日本橋店が閉じられるまで、続いていました。日本橋店の記録である白木屋文書(東京大学経済学部図書館文書室所蔵)のなかの『明鑑録』という帳面から、幕末近くの奉公人のひとりであった古田六兵衛さんを取り上げて、解読しましょう。

六兵衛さんは、『古文書はこんなに魅力的』の第二章で取り上げた人物です。本をお読みになった方にも、まだの方にも、講座でご一緒に古文書を解読する楽しみを味わっていただきたいと思います。文書の行間から、奉公人たちの姿、白木屋の商売、街道の様子、などが浮かびあがってきます。古文書の解読と文書の背景のお話を、たっぷり楽しんでください。

2006/4/11 Tuesday

『古文書はこんなに魅力的』が毎日新聞4/9の書評に取り上げられる

Filed under: - site admin @ 23:00

弊社では2004年から、油井宏子先生の古文書講座を開催しているが、この二年間で先生は三冊の本を出された。

その最新作『古文書はこんなに魅力的』が毎日新聞2006年4月9日(日)の本と出会う- 批評と紹介で取り上げられた。ここで古文書の本が取り上げられることはめったにないという。それだけ、題材が面白いのだ。
油井宏子 古文書 最新作

毎日新聞、油井宏子先生の『古文書はこんなに魅力的』  以下引用

今週の本棚・新刊:『古文書はこんなに魅力的』=油井宏子・著
 (柏書房・1890円)

 本書は、借金を返せなくなって村を出奔した利助さんと、代金徴収に出たが回収できなかったため、そのまま参詣の旅に出てしまった白木屋の六兵衛さんの資料を、古文書そのままで読んでいこうという手習い本である。

まず出奔事件があり、その真相が次第に明らかになってゆく。研究者たちの味わうスリリングな快楽を、そのまま本として編集した優れものの手習い本だ。日本にはまだまだ活字になっていない江戸時代の出版物や、出版すらもされていない手紙、資料類が山のようにある。「読めたら面白かろう」と思うものを所持している人口は相当多いはずだ。

柏書房は以前から、『妖怪草紙 くずし字入門』や、子どもの世界がわかる『古文書はこんなに面白い』を出している。大人の勉強に最適だ。(優)

毎日新聞 2006年4月9日 東京朝刊  引用終わり

2006/2/4 Saturday

江戸を考える

Filed under: - site admin @ 23:00

来週から始まる古文書セミナは、久しぶりに【明鑑録】。これは白木屋の奉公人の不始末帳で、そこにはさまざまな人間模様が描かれている。

セミナではテキストを追って行くのだが、わたしは視覚に訴えるやり方が好きなので、江戸の風景を探して、関係ありそうな題材をスライドショーにまとめてみることにした。江戸の風物を眺めてから、講座に入るとより理解が深まるだろう。白木屋は近江の出身で、奉公人はすべて近江から集めて江戸に送っていた。

それにしても江戸というのは、明治の人々にとってとても身近な存在だった。ちょうど、平成の世に、昭和を懐かしむような感覚である。政治は変わっても、庶民の暮らしは連綿と続いている。だから、江戸を考えるとき、明治までを一括りにするとわかりやすい。

2006/1/30 Monday

安藤広重 東海道53次 英語版

Filed under: - site admin @ 23:37

江戸の古文書資料を探していたら、ANDO HIROSHIGEの画像が見つかった。中には、東海道53次の浮世絵が英語解説付きで載っている。

製作しているのは、www.hiroshige.org.uk、日本よりも欧米での評価が高い絵師なのだ。解説は英語だが、紹介されている浮世絵には、文字が書かれていてずいぶんと読める。
furyu-itsutsuboshi
また、インターネット上の浮世絵サイトのリンク集も見事だ。わたしのようにイタリアサイトを作っている一方で英国の若者が江戸のサイトを作っている。交差している世界の不思議か。

2006/1/7 Saturday

図書館の利用が一部制限

Filed under: - site admin @ 23:48

自宅から歩いて数分のところに図書館があり、これまで新刊書を借りるのに利用していた。ところが年末に恐ろしい掲示がでていて、

この建物の一部に耐火被覆材等として吹き付けアスベストが、使用されている可能性があります。調査して、必要な対策を取ることになりました。時期は未定です。

つまり、年末から普通に使えなくなった。この建物、昭和46年頃建てられていて、ときどき利用していたものとしては、健康被害が気になる。図書館は、子ども図書館を臨時の入口にして、書庫からの貸し出しだけになってしまった。これだとPCの画面から検索する必要があり、慣れない人には大変だ。

幸い、国会図書館で検索の仕方には慣れていたので、この機会に佐渡関連の本を5冊借りて来た。

  1. 島根のすさみ 佐渡奉行在勤日記
  2. 佐渡国仲の昔話 丸山久子編
  3. 佐渡国誌全
  4. 佐渡島社会の形成と文化
  5. 佐渡流人誌

この休みにまとめて読むにはちょうどよい。図書館が平常に使えたら、きっと新刊書を借りていただろう。見えないところで、神の手が動いたのだろうか。

2004/9/27 Monday

白木屋文書

Filed under: - site admin @ 23:52

初めての古文書講座で、知人に集客の相談をしたら、ブログは作ってあるのかと言われた。古文書にブログというのも合わないような気がしたのだが、本当のところ、教室ではどんなことをしているのか知りたがっているという。普通の方からみれば、古文書を習おうなどというのはかなり敷居の高いことで、その中身が少しでもわかれば楽しいだろうというわけだ。

shirokiyamonjo
さっそく、デジタルカメラで写真を入れて、お教室の雰囲気が伝わるようなブログを作ってみた。ただし、こちらにはコメントもトラックバックも入れられない。これを継続することで、親しみやすく感じていただけたらと思った。

111 queries. 4.012 seconds. Powered by WordPress ME